榊とは、一般的に神棚に飾られるツバキ科に属する常緑樹のことで、6月頃に小さく白い花を咲かせます。神棚や神社などに飾られ、神様が宿る依代としての役割も持っています。このように榊は古来、日本で神事に用いられ、神道と深い関わりがあります。ここでは榊の飾り方やお供えする理由、交換のタイミングなどについて紹介します。
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榊はツバキ科の植物で、日本では茨城県や石川県よりも西側に広く分布し、四国や九州で多く見られます。国外でも台湾、中国などで生育しています。
通常はあまり大きく成長しないため、低木樹の部類に入りますが、稀に高さが10m以上になるものもあるようです。楕円形の葉が枝から交互に出ており、その表面は光沢があり、葉先はとがっています。
6月頃には小さな花をつけ、11月頃になると小さくて黒い実をつけます。
榊の語源にはさまざまな説があります。例えば神事に使われていたことから「神様と人の境にある木」という意味でサカキと呼ぶ説や、葉が落ちることがないため「栄える木」とする説もあります。元来は、神前に供える植物をサカキと呼んでいたため、榊が自生していない地域では別の植物をサカキと呼ぶ場合があります。
神棚に榊をお供えする理由
榊はなぜ神棚にお供えされるようになったのでしょうか。
「榊」という漢字は象形文字の一つで、左から大地を覆う木、神に捧げる台、雷を表しています。昔の人々は先端のとがった植物が依代(よりしろ:神様が降りてくるもの)になり、その植物を介して神と交流することができると考えていました。そのため、葉先がとがっていて広く自生している現在の榊が神事に使われました。雷がとがった植物に落ちていたことも、神がとがった場所に降りるイメージが根付いた一因かもしれません。このような経緯から神様が宿る依代としての意味を持つ榊を神前にお供えするようになりました。
神棚の榊の飾り方
神棚には米や水、塩などをお供えしますが、榊も重要なお供え物の一つです。榊を正しく飾り、神様やご先祖様に感謝を伝えましょう。
榊は「榊立て」という榊を安定して生ける神具を使用して、神棚の左右の両端に一つずつ置きます。一般的に左右1本ずつお供えしますが、地域によって本数が違うこともあります。多い場所では何本かまとめて飾ることもあるようです。
新たに神棚を設置する際は、事前に地元に長く住んでいる方や近隣の神社に確認しましょう。
神棚の榊の種類
榊には本榊(ほんさかき)とヒサカキの2種類があります。
榊(本榊)が自生していない寒い地域では、本榊の代わりにヒサカキを使用します。ヒサカキは同じツバキ科で、本榊と葉の形も似ています。しかし、ヒサカキは本榊と比べて葉が少し小ぶりで、辺縁がギザギザしているので、見分けはつきやすいでしょう。ヒサカキは本榊ではないという意味で「非榊」とする場合や、本榊よりも小さいため「姫榊」と表すこともあります。
本榊をお供えする地域もあれば、ヒサカキをお供えする地域もあるため、どちらを神棚にお供えしても問題ありません。また、造花の榊をお供えするのがよいのか悪いのかについては、お供えする方の気持ちの問題であるため、こちらが正しいということはありません。
神棚の榊の交換のタイミング
神棚の榊を交換するタイミングは、毎月1日と15日の2回です。これは、1日と15日が神道で縁起がよい日とされているからです。神社で祭事が行われる日でもあり、月参りに神社に行く際も同様の日付が好ましいとされています。
万が一、枯れてしまった場合や葉が垂れてきたりした場合はすぐに新しい榊に替えます。
また、榊の交換は月2回ですが、榊立ての水はこまめに交換するようにしましょう。特に夏場は水が腐って悪臭を放つことがあるため、毎日交換するようにしましょう。
右の榊だけ枯れることがある
右の榊が先に枯れることは吉兆だと捉えられています。榊に宿っている神様は左右で違い、左側の榊には先祖の神様が宿り、右側の榊は氏神様(居住している場所の神様)が宿るとされています。そのため、右の榊が枯れると氏神様が自分たちを守るために働いてくれていると考えられています。逆に左側の榊が枯れるのは先祖との縁が薄いためと言われています。
片方だけが枯れてしまうと不安になるかもしれませんが、神棚に手を合わせて感謝するようにしましょう。
まとめ
榊をお供えする理由や榊の種類などについて紹介しました。榊は古来より神様が宿るとされてきた大切なお供え物です。普段から神棚の榊を気にかけて榊が枯れていないかを確認し、毎月1日と15日には新しい榊に交換するようにしましょう。
神棚の榊の定期購入などについて知りたい方や榊の見積もりが欲しい方は、お気軽にご相談ください。
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