仏壇の飾り方|宗派別に解説

仏壇は、家庭に置くことができるお寺を小さく模したものというのが本来の意味合いです。これは、各家庭が信仰する宗派のご本尊を置く仏間や床の間などに、先祖を祀るようになったことが元となっています。

宗派、地域、また、仏壇の大きさによって、飾り方は違ってきます。近年では仏壇のかたちも、生活スタイルに合わせて変化を遂げています。その変化に従い、仏具のバリエーションも増え、仏壇の中の飾り方も自由な形態が増えてきています。

各家庭の中で手を合わせる場所、先祖を供養する場所である仏壇の、基本的な飾り方や注意点、各宗派の飾り方のポイントなどをご紹介します。

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仏壇の飾り方・祀り方

仏壇は、それぞれの家庭が信仰する宗旨・宗派の本尊を祀る場所と同時に、先祖に手を合わせる場所でもあります。

しかし、最近ではご本尊や先祖ではなく、祖父母や親御さんなど、生前の姿を知っている故人の供養の場としての意味合いが強くなってきていると言われています。

このように、仏壇の意味合いが変化したことや、生活空間が変わり仏壇の安置場所やデザインが変わってきたことなどから、宗派を超えて仏壇の飾り方も新しいものを受け入れられるようになっています

ただし、古くから伝わる基本的な考え方は、今も受け継がれています。

1.仏壇の最上段の中央にご本尊をお祀りします。その左右に、宗祖名号が描かれた掛け軸を設けます。

2.位牌は、ご本尊が隠れないように、ご本尊の一段低い場所、ないしはご本尊の左右部分に安置します。

3.次の段には仏器膳を置き、仏飯器や茶湯器を配置し、その左右に菓子や果物などを盛る高杯を据えます。

4.最下段には、三具足と呼ばれる香炉花立、火立のほか、りんなどを配置します。

宗派別の仏壇の飾り方

宗派別の仏壇の飾り方の詳細については、以下の説明をご確認ください。

真言宗

浄土宗

浄土真宗

曹洞宗

日蓮宗

創価学会

宗派別の本尊の飾りかた

仏壇の飾り方で注意したいのは、位牌を置く場所です。

近年では、仏壇は位牌を納める場所という考えが多いのですが、もともとの意味合いは、本尊を安置する場所です。そのため、位牌は本尊の近くに置くのが正しいとされています。本尊は、宗派によって異なるため、宗派によって仏壇の飾りかたが異なります

では、宗派別の飾りかたをご紹介しましょう。

天台宗の仏壇の飾り方

本尊:久遠実成無作の本仏である釈迦如来

阿弥陀如来を祀る場合も多くあり、それぞれの信仰によっては薬師如来、観世音菩薩、不動明王、毘沙門天などを祀ることもあります。菩提寺の本尊にならうとよいでしょう。

脇侍 右に天台大師像、左に伝教大師像(脇侍をおまつりしないことも多い)

真言宗の仏壇の飾り方

本尊:大日如来

真言宗は分派も多いので、仏壇の飾り方はさまざまです。また、地域によっても違いがあります。

高野山真言宗の仏壇の飾り方

中央:本尊大日如来 右側:弘法大師 左側:不動明王

真言宗豊山派・智山派の仏壇の飾り方

中央:本尊大日如来 右側:弘法大師 左側:興教大師覚鑁もしくは不動明王、観世音菩薩や地蔵菩薩

浄土宗の仏壇の飾り方

本尊:阿弥陀如来像

脇侍:右に観音菩薩像、左に勢至菩薩像、あるいは右に善導大師像、左に法然上人像

浄土宗では、仏壇の大きさにもよりますが、観音菩薩の隣に唐の善導大師を祀り、勢至菩薩の隣には宗祖円光大師法然を祀ります。仏壇もしくは厨子の前に戸張を垂らすこともあります。

浄土真宗本願寺派の仏壇の飾り方

本尊:阿弥陀如来蔵

脇侍:右に十字名号(帰命尽十万無碍光如来)、左に九字名号(南無不可思議光如来)

右に親鸞聖人像、左に蓮如上人像

浄土真宗本願寺派の特徴として、位牌を置かないのが原則となっています。また、中央に阿弥陀如来を祀りますが、木像を祀ることもあります。

浄土真宗大谷派の仏壇の飾り方

本尊:阿弥陀如来

脇掛けは向かって右に「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号、左に「南無不可思議光如来」の九字名号を祀ります。原則として、位牌は置きませんが東西で仏具に違いがあります。

曹洞宗の仏壇の飾り方

本尊:釈迦牟尼仏像 脇侍 右に道元禅師像、左に螢山禅師像

曹洞宗の場合、「一仏両祖」と言って中央に本尊、右に高祖承陽大師道元禅師、左に太祖常済大師瑩山禅師を配置して三尊仏形式として祀ります。

臨済宗・禅宗各派の仏壇の飾り方

本尊:釈迦牟尼仏像

臨済宗は分派が数多くあるので、菩提寺のご住職に相談することをおすすめします。

日蓮宗の仏壇の飾り方

本尊:大曼荼羅(十界曼荼羅)、釈迦牟尼仏、三宝尊のいずれかを祀ります。

脇侍:右に鬼子母神像、左に大黒天像

融通念仏宗の仏壇の飾り方

本尊:十一尊天得如来の画像

仏壇を安置する場所、仏壇の向きや方角

かつては多くの家に仏間があったので、仏壇を置く場所をあえて考える必要はありませんでした。しかし、最近では仏間のない家庭は増えています。また、マンションなどの生活環境の中においては、仏壇の置き方も従来の方法とは異なってきています。

ここでは家庭内で仏壇を安置する場所についての、基本的な点について紹介します。家の造りなどによって必ずしも基本通りに安置できるわけではありません。あくまでも参考程度にお考えください。

仏壇を安置する場所について

仏壇を安置するのに最も適した場所は、家族が毎日お参りしやすい場所です。

仏壇のことを考えると、「湿気が少ないところ」「直射日光が当たらないところ」「直接冷暖房の風が当たらないところ」が良いでしょう。

仏壇を安置する向きや方角について

仏壇を安置する方角について、特別な決まりも、吉凶もありません。ただし、北を背にして南に向くように置くのが一般的のようです。また、東南側の部屋は南向き、西側の部屋は東向き、北側の部屋は南向きか西向き、北西側の部屋は南向きか東向きに置くのが良いとされています。 

また仏壇の高さについては、座ってお参りする場合と、立ってお参りする場合とでやや異なります。座ってお参りする場合には、本尊の位置が目の高さよりも少し上になるくらい。また、立ってお参りする場合には本尊が胸よりも少し上になるくらいの位置にするのが、目安とされています。

本尊の目線の位置より、位牌の最上部が下にあるのが良いでしょう。

次の段には仏器膳を置き、仏飯器や茶湯器を配置し、その左右に菓子や果物などを盛る高杯を据えます。最下段には、香炉、花立、火立、りんなどを配置します。

~仏壇の置き場所や向きについて詳しくは下記ページをご参照ください~

仏壇の適切な置き場所・置き方・方角・向きとは?

まとめ:仏壇を飾る時に心がけること

仏壇の飾り方やお参りの仕方は、それぞれの宗旨・宗派、地域、また菩提寺の考え方によっても異なります。ただ、お参りする上で最も大切なことは、感謝の気持ちだと言われています。

仏壇を美しく飾り、仏様へ心のこもったお供物をお供えする。心の中にだけ信仰心を持っていれば良いということではなく、想いを形にして表すことが大切です。

飾り方に迷った時は、菩提寺やお近くの仏壇仏具店に相談してみましょう。

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