海外などにあるキリスト教の聖堂は、有名な観光地として人気です。地域の特色が入りまじった聖堂では、厳かな雰囲気を味わえるでしょう。ただし聖堂は、神聖な場所であることも忘れてはいけません。知らず知らずのうちにマナー違反を犯すと、信者の反感を買ってしまう可能性があります。中には、大きなトラブルに発展するケースもあるでしょう。この記事では、海外のキリスト教聖堂訪問のマナーを解説します。
そもそも聖堂って何?どうして神聖視されるのか
キリスト教よりも仏教が広まっている日本では、聖堂の神聖さがいまひとつ伝わっていないといえます。そもそも聖堂とはキリスト教徒が礼拝を行うための場所のことで、教会堂とも呼ばれます。ローマのサン・ピエトロ大聖堂のように、名称にその聖堂が記念する聖人の名前が入っていることもあります。聖公会と正教会では、「主教」と呼ばれる高位聖職者がつく座席のことを「主教座」といいます。また、カトリックでは、高位聖職者は「司教」、その座席は「司教座」と呼ばれます。「主教座」「司教座」が置かれている教会が「主教座聖堂(司教座聖堂)」で、「大聖堂」と呼ばれることが多いのです。大聖堂は、近隣の教会を束ねる役割を担っており、信者からも尊敬を集めています。(ただし、必ずしも大聖堂には主教座があるというわけではありません。セルビアの聖サワ大聖堂のように、規模が大きい聖堂であっても主教座がないケースがあります。)
キリスト教徒にとってなじみが深く、宗教的に重要な拠点になってきた大聖堂には、現在、観光客に人気の場所となっているところが多くあります。聖堂はステンドグラスや絵画など、美術的に優れた要素を取り入れているところが少なくありません。そのため観光客が訪問することも多く、旅行ガイドブックなどにも掲載されています。キリスト教徒以外からも知名度の高い聖堂もあり、海外旅行の見どころとなっています。
聖堂でよくあるトラブル!うっかりではすまされない
観光客が海外の聖堂を訪れたとき、トラブルになってしまうのはあくまでも「観光地」としてとらえているからです。現地の人からすれば、聖堂は神聖な儀式が行われる大切な場所です。そこで騒ぎ、大声で笑っていると気分を害されるのは当然です。聖堂ではマナー違反をしないよう、静かに行動することが肝心です。
また、聖堂では日曜日になるとミサが捧げられています。ただし、熱心な信者は平日でも聖堂に通い、お祈りをしています。聖堂は本来、信者のために作られた施設なので、観光客は彼らへの敬意を欠かさないようにしましょう。ミサやお祈りの邪魔になる行動をとると、相手に不快な印象を与えてしまいます。お祈りの最中は撮影を控えるべきですし、フラッシュをたくのはもってのほかです。さらに、聖堂の中には一部の人間しか立ち入りを許可されていないエリアがあります。表示はしっかりと確認し、うっかり侵入してしまわないよう注意しましょう。
聖堂を訪問するときの服装やマナーは?
観光気分であるがゆえに、聖堂で犯しがちなマナー違反が「服装」です。基本的に、教会や聖堂ではラフすぎる服装を禁じています。肌の露出が多い服になると、そもそも中に入れてもらえないことも少なくありません。女性であれば、ミニスカートなども問題視されてしまいます。聖堂を訪問する際には、丈の長い服装で、夏場でも上に羽織れるものを持参していきましょう。さらに、日本の寺社で許されていないような行動は、聖堂でもまず認められていません。歩きタバコや飲食、飲酒などは厳禁です。
そして、常に信者の気持ちを考えながら行動しましょう。聖堂内で走ると、足音が信者の集中を妨げてしまいます。聖堂内での移動は、歩くのがマナーです。扉の開け閉めでも、大きな音を立てないよう慎重に行いましょう。
なお、多くの聖堂が写真撮影を許可してくれています。しかし一部では、写真撮影を全面禁止している聖堂もあるので注意が必要です。確認してから行いましょう。また、美術品や部屋によっては、撮影ができないものもあります。その都度確認をするなどし、写真のルールに従い行動しましょう。
バリの寺院はどう入る?お供え物「チャナン」の風習とマナー
日本人に人気の観光地としてバリが挙げられます。バリ・ヒンズーの寺院も聖堂と同じく、観光客が多く訪れるスポットです。寺院に入るマナーは、ほかの宗教的建造物と大きくは変わりません。騒がず、走らず、無闇にフラッシュをたかないのがルールです。バリの寺院でも肌の露出は禁じられており、膝上が露出している服装のときには腰巻きと腰帯を付けなければいけません。レンタルサービスもあるので、寺院に入る前には身につけておきましょう。
そして、寺院では「チャナン」と呼ばれるお供え物を捧げます。バリ・ヒンズー教では神々はあらゆるところに宿ると考えられており、寺院以外にも、台所や街角など、いたるところで神々に捧げられたチャナンを見かけます。チャナンは、毎日のお祈りのために女性たちが用意しており、ヤシの葉の上に花やパンダンリーフを載せて作ります。さらに、お菓子やフルーツ、水や米を加えるパターンもあります。チャナンの供え方は、チャナンを決まった場所に置き、火の付いた線香を添え、そこに聖水を振りかけます。チャナン作りが体験できるコースもありますので、手作りのチャナンと一緒に線香を持って、寺院でお祈りをしてみるのもおすすめです。
まとめ
他地域の宗教は、観光客には理解しにくいポイントもあるかもしれません。それ故に、何気ない行動や言葉で現地の信者を傷つけてしまうこともあります。そのようなマナー違反により、聖堂や寺院の観光が行えなくなる可能性も出てきます。海外の宗教施設を訪ねる際は節度をもって行動し、場所に対する尊敬を忘れずに振る舞いましょう。海外の信仰の文化に触れ、日常生活の中でも仏様やご先祖様への信仰や供養の仕方を見つめなおしたいと思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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