お仏壇の置く部屋、置き場所、向きには、特別な決まりはありません。俗説では、いろいろと言われていますが、「絶対にこうしなければならない」ということはありません。ほとんどが迷信だと言ってよいでしょう。
仏壇の設置方法にルールはある?
例えば、仏壇と神棚を同じ部屋にしてはいけない、と言われることがあります。というのも、仏さまと神様が喧嘩をするからです。 もっともな説に聞こえますが、これも気にする必要はありません。お寺と神社ですら、同じ境内にあるところがあるわけです。 昔から同じ部屋に仏壇と神棚を置く部屋は多く、隣に置くところもあったようです。
もともと日本人は古くから神様か仏様のどちらか一方ということではなく、ともに進行してきた民族です。 神仏がともにあるというのは、日本人にとってとても自然なことなのです。ただ、お仏壇を置くのに適した場所、お参りしやすい位置もありますので、ご自宅の事情に合わせて設置するとよいでしょう。
向き(方角)と場所
お仏壇を置く向き(方角)には特別な決まりはありません。どうしても、気になる、という方は西側をお勧めします。仏教では、西の方角に死者が生まれかわる「西方浄土(極楽浄土)」があります。その極楽浄土のある西に向かって拝むために、東向きに置く人が多いようですが、これも一つの考え方でしょう。
また、神棚を同じ部屋に置いてもかまいません。ただ、神棚と向かい合わせにすると、どちらかを礼拝する時に、もう一方に尻を向けることになるので、これは避けた方がいいでしょう。実際にはお参りするときに、すがすがしい気分を保てる場所であれば、どこに安置しても問題はありあせん。もちろんトイレの隣とか、玄関や物置の隣といった場所では、すがすがしい気分を保つことはきません。
自然条件で言えば、直射日光が当たらず、風通しが良く、湿気のない、冷暖房の風や熱が直接当たらない場所が、お仏壇の置き場所として適しています。
設置における注意点
- 向き(方角)きと場所に特別な約束はありません
- 仏壇を置く方角の吉凶をいう人もいますが、これも仏教とは関係のない考え方なので、気にする必要はないでしょう。
- 仏壇の傷みにつながるので、直射日光のあたる場所は厳禁です。
- 仏壇と神棚をむかい合わせにしてはいけません。
- どうしても、気になる方は、西側をお勧めします。
- 直射日光は厳禁。
どの部屋に置くべきか?
仏壇を安置し、仏事を行うことだけを目的とした仏間がある家というのが理想ですが、そのような仏間のある家というのは、実際には少ないものです。ほとんどの家では、普段の生活の場所に仏壇を置くことになります。
かつては、家の中心となるような部屋にお仏壇を置いていました。ですが、どの部屋に置くのかという決まりはありません。居間や寝室に置いて、日常生活と密着させるのもいいでしょうし、客間や専用の仏間などに置いて、日常から少し切り離して特別な意味を持たせるのもいいでしょう。
参考までに、古くから仏壇を置く部屋には二つの考え方がありました。ひとつは、床の間のあるような、家の中でもっとも立派な部屋で、お客さんが来たらお通しするような場所です。もうひとつは、普段、家の人が長い時間いる居間や茶の間のような部屋です。
最初の、家の中でいちばん立派な部屋に仏壇を安置するという考え方は、主に真宗の家に多く見られます。これは真宗では、位牌の置き場所としてよりも、ご本尊(阿弥陀如来)をまつる場所としての意味が大きいためです。
真宗では、毎月、檀家が当番の家に集まって務める聞法会や報恩講という行事がなされていました。そのため、他の家の人々が来たときにお参りできるような部屋に、仏壇を安置するという習慣があるのです。
真宗以外の宗派では、仏壇がご先祖の位牌の置き場所であると意味合いが強いので、家族が日夜、ご先祖をうやまうことができ、ご先祖も子孫を見守ることができるように、家族が集まる部屋に置かれるのです。この二つの考え方は、これから仏壇を置く部屋を決める人にとって、参考になるものだと思います。
仏壇を設置する部屋の選び方
仏壇を設置する部屋の注意点として、仏壇と神棚を同じ部屋にして良いか、ということです。仏壇と神棚を同じ部屋におまつりしてもいいのかという疑問を感じる人は少なくありません。
この疑問に対して私たちはいつも、「同じ部屋におまつりしても、いっこうに構いません」とお答えしています。仏壇は仏教の祭壇であり、神棚は神道の祭壇です。だからお坊さんや神主さんに聞くと、「同じ部屋にはまつらないように」と答える人が多いのです。
お坊さんや神主さんの立場としては、そう答えざるをえないのはわかります。けれども、「仏壇をまつるなら、家に神棚はいらない」とか「神棚をまつるなら、家に仏壇はいらない」という人はほとんどいません。お坊さんや神主さんといえども、仏壇と神棚の両方を、同じ家の中にまつることは認めているのです。
もともと日本では、仏教と神道はともにいい影響を与え合いながら、時には混じりあって、現代まで伝えられてきました。江戸時代まではお寺の中に神社があったり、神社の中にお寺があることは、あたりまえのこととして、人々は受けとめていました。
「神仏習合」とは何か
明治維新の時に、政府の方針で神仏分離令が出され、その時にむりやり仏教と神道を引き離したので、今はお寺と神社がほとんど別々に存在しています。
お寺と神社は引き離されてしまいましたが、それぞれの家では、仏壇と神棚をならべてまつるという習慣が残りました。現代でも地方では、仏壇と神棚をならべてまつっている家は多いようです。
こうした日本人の「神仏習合」の信仰は、欧米人から「純粋でないもの」「野蛮なもの」と見なされます。明治以降、欧米の考え方に大きな影響を受けた日本でも、同様に考えられるようになってきます。
しかし最近ではこうした「神仏習合」の信仰が、決して劣っているわけではなく、逆に優れたところも多いのではないかと見なおされるようになってきたのです。純粋さを求める様々な宗教が、世界各地で宗教紛争を起こしている現代おいては、仏壇と神棚をなかよくならべている日本人の信仰が逆に素晴らしいものに見えないでしょうか。
だから仏壇と神棚を同じ部屋にまつることはいっこうに構いません。もちろん気になる人は別々の部屋にしたほうがよいでしょう。無理に同じ部屋にすることはありません。同じ部屋にする時は、向い合せにだけはしないように気をつけてください。仏壇に向かう時に神棚にお尻を、神棚に向かう時に仏壇にお尻を向けることになりますから。
一般に金仏壇や唐木仏壇は和室に、家具調仏壇は洋室やモダンデザインの和室に置くものだというイメージがあります。ですが、必ずしもそうとは言えません。伝統的な仏壇も違和感なく洋室に収まることもあります。あまり先入観を持たずに、考えてみましょう。
まとめ 仏壇の置き場所に困ったら
仏壇を置く部屋と位置、方角、場所に、特別な決まりはありません。故人を偲び、清々しくお参りできる、と思える場所に置くことが一番重要です。 仏間があるお宅は仏間に置くことをお勧めいたします。ただし、リビングに置くことにより、故人をより身近に感じられる、と思う方は、そちらのほうが好ましいです。
狭い住宅に住んでいる人は、どこにお仏壇を置けば良いのか迷うことが多いでしょう。上置き型の小さなお仏壇なら、家具の上に置くことができます。様々なデザインのものがあるので、どの部屋に置くのにも困らないでしょう。
最近では、壁にかけられる仏壇や、棚の中に収納できるお仏壇などもございます。 また、押入れを改造して仏間にする方法もあります。お仏壇店によってはリフォームをしてくれるお店もあります。
ただし、注意点として、直射日光が当たる場所は避けましょう。また、お仏壇と神棚を向かい合わせにするのも良くないです。ただ、お仏壇の高さは、正座して目よりも少し高い位置にご本尊やお位牌がくるようにするのが良いでしょう。
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