贈答線香とは

贈答線香とは、お葬式や法事の際の贈り物として贈るお線香のことです。

葬儀などの際に贈るお香典は、もともとは現金を包むのではなく、お香やお線香を贈ることが本来の意味だったともいわれています。

故人を偲ぶためにお贈りする贈答線香ですが、贈る際のマナーもあります。ここでは贈答線香についてご紹介します。

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贈答用線香の意味

贈り物として、お線香を差し上げる場合があります。

お通夜やお葬式の際には「御霊前」や「お香典」として現金を包んで持参する方が多いでしょう。別の方法として現金ではなく、お線香を贈ることで、故人を偲ぶ気持ちを伝えることができます。贈答用線香は、故人を偲ぶ気持ちを込めることができる贈り物です。

線香には大きく分けて2種類あります。杉線香と匂い線香です。

杉線香の原材料は、杉の葉です。用途としては、主にお墓参り用の線香として使われています。

匂い線香は、タブの木の樹皮を粉末にしたものをベースとして、さまざまな香木や香料を調合して作られています。

ろうそく・お花・ご飯・水・お香の5つのお供えは、五供と言われており、仏様へのお供えの基本であるとされています。中でも「お香を焚く」という行為は、仏様やご先祖様に香りを楽しんでいただくものです。さらに、お香は日々の生活の中で汚れた私達の心身を、自ら清めるという意味もあります。

754年に鑑真和尚が来日すると共に、煉香(ねりこう)の手法が伝わりました。江戸時代初期に中国から線香を作る技術が入ってくる前は、さまざまな場面で香が用いられていました。

線香に使われる代表的な香木

伽羅(きゃら)

伽羅は、最も品位の高い香りとされています。主にベトナム産で水に沈むため「沈香」とよばれています。

白檀(びゃくだん)

白檀は、主にインドやインドネシアで多く産出されています。特に、インド南部さんの質の良いものは「老山白檀(ろうざんびゃくだん)」と呼ばれています。白檀は、香料以外でも高級彫刻剤として使われており、仏像や念珠になります。

沈香(じんこう)

沈香は、東南アジア全域で産出するジンチョウゲ科のアキラリア族の樹木に長期にわたって蓄積された樹脂です。

贈答用線香を贈る時期・タイミング

喪中はがきで訃報を知ったら

近年は親族やごく親しい方のみの少人数で営む葬儀が増えているため、喪中はがき(年賀欠礼状)によって訃報を知るというケースが増えています。喪中のはがきを頂いた相手には、年賀状は控えて寒中見舞いとして挨拶を送りましょう。

また、不幸があったことがわかったら、できるだけ早くお悔やみを伝えたい気持ちから、すぐに喪中見舞いを送ることも増えています。

喪中見舞いとしてお悔やみを伝える場合には、初七日までにお悔やみの手紙が出すのがマナーです。しかし、実際には喪中はがきが届く時期には、葬儀も終え初七日も過ぎているケースも多くみられます。喪中はがきが届いたら、タイミングを逸することのないように、できるだけ早急に喪中見舞いを送りましょう。

喪中はがきで訃報を知った遺族への対応

喪中はがきなどで訃報を知った際、遺族への対応としては、「寒中見舞いを送る」ほか、「お香典を送る」「喪中見舞いを送る」などの対応の方法があります。

お香典を送る

お香典を送る場合には、不祝儀袋に香典として現金を入れて送るのがマナーです。できれば、直接手渡しすることが望ましいのですが、時間の都合や遠方であった場合には難しいため郵送することは失礼にはあたりません。

郵送でのお香典の送り方

お香典を包んだ不祝儀袋を現金書留用の封筒に入れて送ります。専用封筒はのし袋も入る大きさです。水引のデザインが立体的でかさばっているなど万一、香典袋が入らないという場合には、郵便局の窓口で「現金書留扱い」での送付をお願いすることも可能です。

なお、現金書留にはお悔みの言葉などを記した信書(手紙)を同封することも可能です。

お香典を郵送する際には、お香典のみを送るのではなく、必ずお悔やみの手紙を添えて相手に気持ちを伝えるようにしましょう。

喪中見舞いとして贈答用線香を贈る

喪中見舞いとして、お線香を贈ることもできます。

贈答用のお線香は数多く種類があります。

また、お線香のほかにも、ろうそくを贈ることもできます。ろうそくの場合には宗教を問わず使用することもできますし、オシャレな物を選ぶことで仏壇以外にも使うことができます。

種類も豊富で、短いろうそくや香りを楽しむことができるものなど使う方によって選ぶとよいでしょう。

贈答用線香の選び方

贈答用線香を贈るのは喪中はがきなどで訃報を知ったときだけに限りません。

例えば、親せきや知人の葬儀や法事の際に故人を偲ぶ気持ちとしてお線香を贈ることもあります。

御霊前やお香典として現金を包むのもよいのですが、お線香には故人を偲ぶ気持ちを込めることができる贈り物として、よいとされています。

ただ、お線香を送る際には、宗教によって葬儀や供養の仕方に違いがあるため、注意が必要です。お線香を贈る際のマナーや基礎知識をご紹介しましょう。

贈り先の宗旨・宗派を調べる

まず、はじめに確認するべきことは贈る相手の「宗教」です。

ご自分の宗教がわからないという方もいらっしゃるかもしれませんが、先祖代々伝わる宗教の習わしにそって葬儀を行う場合が多いでしょう。

お線香は、仏教で使うものなので、相手が神教やキリスト教の場合には贈ることはできません。必ず、相手の宗教を調べてから贈り物をしましょう。

お住まいのタイプと好みに合わせる

お線香を選ぶ際に、香りにこだわるという方は多くいらっしゃるのですが、もうひとつ忘れてはいけないのはです。

部屋が広い。日本家屋など日ごろふすまを開けて部屋を使っている家庭では、煙の量が多い方が良い場合もあるのですが、マンションや団地などの集合住宅にお住まいの方に贈る場合には注意が必要です。

あまり煙の多い物だと、煙探知機が作動してしまう可能性があります。また、マンションなど気密性が高い住居もたくさんあります。このような場合、線香の煙や香りがいつまでも部屋に残る場合もあります。

好みもありますが煙が少ない方が喜ばれる場合には、少煙タイプのお線香なども販売されています。どのようなお住まいなのかまた好みを確認しておくとよいでしょう。

お線香の機能で選ぶ

お線香は、長さも選ぶことができます。火事や火の始末を考えると、短いものや時間が決まっている物を選ぶと喜ばれる場合があります。半分に折れるように、折り目が入っている物もあります。贈る相手がどのような生活スタイルなのかを考えて贈ると良いでしょう。

贈答用線香の贈り方

贈答用線香を贈る際に注意して頂きたいことをご紹介しましょう。

表書き

贈答用線香を贈る際には、のしをかけて贈ります。

・四十九日まで・・・御霊前(浄土真宗の場合は御仏前)

・四十九日以降・・・御仏前

・四十九日を過ぎる可能性がある場合・・・御供

年忌法要の際には「御仏前」または「御供」としましょう。

贈答用

線香の種類は豊富にありますが、贈答用線香として家庭用のお線香を贈るのは大変失礼です。スーパーなどで購入することができる家庭用のお線香ではなく、箱に収められている進物用のお線香を贈りましょう。

どんな物を贈ったらよいのかわからないという方は、仏具店や百貨店での購入をおすすめします。専門の店員さんに予算などの相談して購入することができます。

贈答用の線香を取り扱うおすすめの仏壇店

故人を偲ぶ気持ちを伝えることができる贈答用線香ですが、おすすめの仏壇店をご紹介しましょう。

お線香のメーカーをご紹介します。通信販売も行っているので、是非参考になさって下さい。

日本香堂

日本香堂は、天正年間創業430年の歴史のある老舗です。贈答用線香の種類も豊富で、香りや煙などの好みや予算に合わせて選ぶことができます。

鳩居堂(きゅうきょどう)

鳩居堂は、1663年に共闘寺町の本能寺前に創業しました。お線香に関しても独自の製法で作った高級線香を販売しています。煙の少ないタイプのお線香が人気のようです。

松栄堂(しょうえいどう)

松栄堂は、宝永2年(1705年)に京都に創業しました。繊細な香りを手作りの伝統手法で作り続けています。世界各国から集められた天然香料で作られています。香りにこだわる方におすすめです。

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