仏壇は一般に、位牌を安置する場所であると考えられています。そのため仏壇にお参りするときは、ご先祖様を想ってお祈りをしますが、仏教の教義から見た場合にはそれとは異なる考え方をします。そこで本記事では、仏壇の役割について説明していきます。
仏教の教義から見たお仏壇
お寺の住職さんたちの中には「仏壇というものは本来、ご本尊をおまつりする場所です。位牌は、本尊の近くに置かせていただいているだけなのですよ」と話す人もいます。
たしかに仏教の教義からいえば、こうした考え方のほうが正しいといえます。
浄土真宗のように、仏壇はご本尊(浄土真宗では阿弥陀如来)をおまつりする場所という考え方が徹底されていて、仏壇に位牌を置かない宗派もあります。
両親や祖父母など、肉親に想いをはせる場所
しかし多くの人は仏壇に向かうとき、まず両親や祖父母などの肉親に想いをはせています。まして仏壇を買おうとする理由は、肉親の位牌を置くことであることがほとんどです。
こうした傾向を「間違っている」という人もいますが、はたして本当にそうでしょうか。
確かに本来の仏教の立場からいえば、仏様に祈りを捧げるためにあるのが仏壇です。しかし、ご先祖様を敬い、故人に思いはせるという行為も、とても尊いことに変わりはありません。堅苦しく考えず、ご先祖様の位牌を安置して、ご先祖様の冥福を祈る場所と考えていても悪いことではないでしょう。
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