仏壇のお参り作法と法要の仕方

仏壇とは、家庭の中で本尊や故人の位牌を安置して祀るためのものです。日々の暮らしの中で、手を合わせる対象として大切な役割を担っています。
仏壇にお参りする作法については、それぞれの宗旨・宗派や地域、菩提寺の考え方、さらにそれぞれの家庭に伝わる習わしがあります。ここでは一般的なお参りの作法と、また法要の時にやるべきことについてご紹介します。

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なぜ仏壇にお参りをするのか?

現在のような仏壇が家庭に祀られるようになったのは江戸時代です。寺院における須弥壇(しゅみだん)を家庭用に模したものが仏壇といわれています。
本来は、本尊を安置し祀る場所といわれますが、同時に先祖の位牌を祀るという役割もあります。仏壇に手を合わせることで本尊や先祖に日々の感謝を伝えるとともに、故人に思いをはせ、会話をし、自分を見つめ直すといった意味もあります。

お線香の意味

仏壇にお参りをするときには線香を上げます。
部屋の中に広がる線香の香りは、仏の慈悲を平等に行き渡らせることを意味するものです。
そして、線香を上げた人は身が清められ、ご先祖様と対面するのに相応しい状態になります。
ご先祖様と対面したら、あいさつをするとともに、今日1日元気で無事に過ごせるように願います。

近年では住環境も変化し、マンションなど気密性の高い住宅も増えてきました。そのため、線香の香りや煙が部屋に充満しないように煙の少ないお線香も登場しています。

仏壇の拝み方

仏壇を拝む流れ

仏壇にお参りをするときには、まず本尊に対して一礼します。
お供えがある場合には、この後でお供えします。また、お供え物に文字が書いてある場合には、仏壇の前に座ったときに文字が見える向きにしておきましょう。

次にマッチでろうそくに火をつけます。ろうそくから火を移す形で線香に火をつけましょう。
小さな炎が上がるので、線香を片手で持った状態で、もう片方の手で扇いで火を消します。
人が吐く息はあまり綺麗でないため、息を吹きかけて火を消すのは失礼になってしまいます。

線香の火が消えると先端が赤くなった状態になるので、香炉に立てましょう。
立てる線香の本数は宗派によって異なりますが、厳密にはっきりと決まっているわけではありません。
天台宗と真言宗は3本で他の宗派は1本ですが、必ずしもその本数でなくても大丈夫です。

読経は必ずしも行う必要はありませんが、行う場合には線香を立てた後のタイミングで行います。

読む前と読んだ後にリンを鳴らしましょう。
あまり強く叩かず、軽く鳴らすだけで大丈夫です。
読経を行わない場合には、リンは鳴らしても鳴らさなくても問題ありません。

そして、合掌してからろうそくの火を消して、最後に再び一礼します。
ろうそくの火を消すときにも息を吹きかけるようなことはせず、手で扇いで消しましょう。

毎日朝と就寝前の二度お参りをする

仏壇へのお参りは朝と就寝前の2回行います。
お参りのやり方は朝も就寝前も大きく変わりません。
仏飯や水などは基本的に朝にお供えして、就寝前のお参りのときに下げます。

また、就寝時に仏壇の扉を開けておくか、閉めておくかということについては、しばしば議論の対象になりますが、実際にはそれぞれの家庭の考え方によるようです。困ったことがあった場合には、菩提寺や地域の仏壇仏具店に相談してみましょう。

法要の仕方と作法

法要を行うときに、どのようにして行えばいいのか正しい作法を見ていきましょう。

法要の準備

法要を行うときには1ヵ月くらい前までに親戚や友人、知人などに案内を送り出欠を確認しておきます。
案内は、一周忌までであれば、親族の他に友人や知人などにも送付します。
三回忌以降の法要であれば、親族だけで問題ありません。
前もって菩提寺に相談して、日程や場所を決めておきましょう。

法要の心得

会場がある程度広く参加者も多い場合には、祭壇に向かって左側に親族が座り、右側に友人や知人などが座るように席次を決めます。
焼香を行う際には施主が最初に行い、次に他の遺族が行いましょう。
基本的に血縁が近い人から遠い人という順番です。
数珠を必ず持参しましょう。

法要に招かれたら?参加者の心得

法要の案内が届いたらできるだけ早めに出欠を施主に知らせます。
三回忌までであれば、当日は御仏前を不祝儀袋に入れて持参しましょう。
施主と同様に参加者も数珠も忘れずに持参しなければなりません。服装は男性であれば礼服か暗めの色のスーツを着ます。

女性なら暗めの色のスーツかワンピースです。
化粧やアクセサリーも派手なものは避けましょう。
三周忌、七周忌と葬式から年月が経過するに従って服装を軽めにしていきます。
七周忌以降であれば、平服でも問題ありません。

法事の会食(お斎)について

法事のときには仕出し料理店などに注文をして法事用の料理を用意します。
僧侶にも出席してもらい、正面の中央に座ってもらいましょう。
料理やお酒も僧侶の分を最初に用意します。

食べ始める前に施主が挨拶をしますが、併せて献杯を行うことも多いです。
1時間から2時間程度でお開きにしますが、途中で頃合いを見て引き出物を配ります。

法要の費用

法要にかかる費用は、会場の使用料とお布施、お車代、会食費などです。
会場の使用料は自宅で行う場合にはかかりません。
お寺で行う場合もお布施に含めることが多いです。

セレモニーホールなどを使えば、10万~20万円程度かかります。
お布施は3万円から5万円程度が相場です。
お車料は、僧侶に自宅に来てもらったときにお渡しするもので、5千円から1万円くらいでしょう。会食費は1人3千円から5千円くらいが目安です。

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まとめ