仏壇の素材とは、仏壇を作成する際に使用される木材のことです。木目の美しさや、木の質感を生かした唐木仏壇などは、その素材によってまるで異なる印象になります。今回は主に唐木仏壇に用いられる素材について、唐木や日本の銘木、世界の銘木についてご紹介します。
後悔しないお仏壇選びのための総合カタログをプレゼント!後悔しないお仏壇選びのための総合カタログプレゼント!
- 購入する時の注意点とは
- 価格・サイズ・設置例を詳しく
- 我が家にぴったりのお仏壇とは
- お仏具の役割やお飾りの仕方
- ご安置のポイント
- お仏壇Q&A
- お仏壇選びステップガイド
- リビングルームにあうカタログ
仏壇に使われている素材にはさまざまな種類があります。
まず仏壇には大きく分けて金仏壇と唐木仏壇の2種類があります。
金仏壇は正確には漆塗り金仏壇で、材質は主にヒノキ、マツ、スギ、ケヤキなどが用いられ、漆塗りの金箔仕上げになっています。仏壇内部は「荘厳作り(しょうごんづくり)」といわれる美しい技法がほどこされています。
唐木仏壇は金箔などのきらびやかな装飾はありませんが、重くて耐久性のある素材を使い、木目の美しい輝きを基調としています。黒檀、紫檀が昔から「唐木」と呼ばれていたため、唐木仏壇という名称になりました。
その他の素材として「新仏壇」とも呼ばれる、合板やアルミニウム、プラスチックなどを用いられる手ごろな価格の仏壇もあります。
仏壇に使われる素材
唐木(からき、とうぼく)
昔中国の唐の時代に輸入されてきた木材や、唐の工芸品に使われていたことから、唐の木=唐木といわれます。素材の中でも特に稀少価値の高いものを銘木といいます。
唐木の銘木をご紹介します。
黒檀(コクタン):カキノキ科カキノキ属
黒檀は、高さ25mまで成長する常緑高木です。心材(=樹木の中心に近い部分)が濃い黒色をしています。成長がとても遅く、材質は堅く水に沈むほどち密で、耐久性があります。
「木のダイヤモンド」と呼ばれるほど高価な木材です。
紫檀(シタン):マメ科ツルサイカチ属
紫檀は、高さ10mまで成長する常緑小高木です。かすかなバラの香りがするものが多く、ローズウッドとも呼ばれます。心材が美しい暗紫紅色で、材質は黒檀同様に堅くち密で、高価な優れた木材です。
鉄刀木(タガヤサン):マメ科ジャケツイバラ亜科
鉄刀木は、高さ15mまで成長する常緑高木です。材質は堅く耐久性があり、独特の美しい縞模様を持ちます。鉄の刀の様に堅いので、鉄刀木と書かれます。
日本では黒檀、紫檀と共に「三大唐木」といわれる銘木です。
白檀(ビャクダン):ビャクダン科ビャクダン属
白檀は、高さ10mまで成長する比較的細い小高木です。香りが豊かで、材質はち密で伝統的な寺院の彫像やチェスの駒など高価な品物に使われてきました。
古くはヒンドゥー教と深く結びついており、信者は火葬用の積み薪に白檀を入れたりと、儀式の一部として用いています。
カリン:マメ科シタン属(※庭木のバラ科のカリンとは別種です)
高さ25~30mまで成長する常緑高木です。八重山諸島に分布する八重山紫檀(ヤエヤマシタン)とは近縁種です。心材は赤褐色から暗褐色で、別名インドシタンとも呼ばれ、紫檀の代わりに使われることもあります。
日本の銘木
欅(ケヤキ):ニレ科ケヤキ属
高さ20~40mまで成長する落葉高木で、材質は堅くて木目が美しいです。古くから神社や寺院の建築に使われてきました。他にも楽器や漆器の木地などに使われます。
タモ:モクセイ科トネリコ属
英名ではジャパニーズアッシュと呼ばれます。
心材は明るい褐色で木目は粗く、成長の良いものは重厚になり運動用具材に使われます。成長の悪いものは軽くなり家具材として重宝されます。
檜(ヒノキ):ヒノキ科ヒノキ属
成長すると20~30mの高さの針葉樹で、油を多量に含み腐敗と虫から守られています。油はレモンのような香りがして、木材の価値を高めています。色は薄く耐久性があり丈夫なためさまざまな用途で使われます。中に香りが移ることで日本の伝統的な箱の製作品に人気があります。
伊勢神宮をはじめとして日本の多くの歴史的建造物がヒノキで建てられています。
栓(セン):ウコギ科ハリギリ属
高さ10~30mに成長する落葉高木です。ハリギリとも呼ばれます。
心材は淡灰褐色で、ホワイトアッシュに似ています。栓の中でも糠栓(ぬかせん)と呼ばれる柔らかく加工がしやすい材木から、仏壇、家具、楽器などに広く使われます。
楠(クス、クスノキ):クスノキ科ニッケイ属
成長すると30m以上になる常緑高木です。樟脳(しょうのう)と呼ばれるろう状の物質が多く含まれており、葉からは蒸留によって抽出され、風邪や、痛みやかゆみをやわらげる皮膚に外用されることもあります。
木材に含まれる樟脳は、害虫を防ぎ殺す作用があるため、衣類や文書などを安全に保管するために使われます。
木目が細かくち密なため、細かい彫刻に適しています。
杉(スギ):ヒノキ科スギ属
高さ50~60mまで成長する常緑針葉高木です。日本産の樹木の中で最も樹齢が長く、
まっすぐな木という意味の「直木(すぎ)」が変化したものといわれています。
心材は濃い茶色で独特の香りを持ちます。
桐(キリ):ノウゼンカズラ科キリ属
成長すると8~15mの高さになり成長が速い落葉高木です。
素材は軽くてやわらかくてゆがみにくく、湿気を通さず、燃えにくいなどとても優れた材質です。音響性にも富んでおり、古くから弦楽器の共鳴版にも使われてきました。中国と日本では、女の子が生まれたら桐を植え、結婚するときに持参金代わりにタンスを作る風習がありました。
環境修復用の樹木でもあり、水路の汚染を防ぐのにも役立ちます。また良い木炭ができるとされます。
黒柿(クロガキ):カキノキ科
成長すると10mになる落葉樹です。黒柿は、数百年の樹齢の柿の木が、稀に心材に黒いさまざまな模様を持つ、とても高級な銘木です。
材質は堅く、黒檀と似ています。昔はゴルフクラブのヘッド作りにも使われてきました。
槐(エンジュ):マメ科エンジュ属
高さ10~25mまで成長する落葉高木で、中国では高貴な木とされ古くから宮廷の庭に植えて大臣の座る位置を示したそうで、立身出世の縁起の良い木とされます。
耐久性が高く、腐りにくく保存性が高いです。
「延寿」の文字があてられることで、長寿安産を祈る素材になります。
世界三大銘木
ウォールナット:クルミ科クルミ属
高さ8~20mまで成長する落葉高木です。ほどよい堅さで衝撃に強く、伝統的な銃の銃床(じゅうしょう:銃を肩に置いて発射させた時の反動を安定させるために肩に置くもの)にも使われました。心材は褐色~紫褐色。現代の日本の都市住宅のインテリアやデザインなど生活スタイルに合わせた都市型仏壇の材料として初めて使われるようになったといわれています。
チーク:シソ科チーク属
高さ30~40mの落葉高木です。ミントの遠い親戚で、成長すると40mになる落葉樹です。非常に丈夫な素材で、成長が速く油を多く含むため、防水性に優れています。
赤褐色をしており、何年も経つと色あせて上品な銀灰色になります。
マホガニー:センダン科マホガニー属
成長すると最大25mの高さになる常緑高木です。成長が遅く腐敗しにくく、外からの衝撃を吸収するため、世界最上級の素材として長く評価されています。
また、19世紀には高級家具として多く生産され、木目が細かく均等で音がよく共鳴することから音楽楽器としても作られ貴重な高級木材とされます。
その他の世界の銘木
黄王檀(キオウタン):ムラサキ科カキバチシャノキ属
鮮明な黄褐色の模様が入った美しい木目がやや大柄の銘木です。耐久性に優れ、明るい色の仏壇に仕上がる木材のひとつです。別名ボコーテや、南米桑とも呼ばれます。
シャム柿(シャムガキ):ムラサキ科
心材は深みのある大柄の暗褐色で、紫檀の材質と似ています。黒柿の代用品としても用いられます。
アッシュ:モクセイ科トネリコ属
心材は淡褐色で、材質は強く衝撃に対する抵抗力が強いのでよく野球のバットに使われます。タモ、ホワイトアッシュ、トネリコなども含まれます。
ハードメープル:カエデ科カエデ属
高さ30~40mに成長する落葉高木です。
心材はクリーム色~淡い赤茶色で、白く長い材料を取ることができます。衝撃に強いのでボーリングのレーンやピンの素材にも使われます。
まとめ
仏壇の素材として使われている樹木は、古くから高級な楽器や家具、下駄など、身近な日常品の素材としても用いられてきました。
また、全国の神社には樹木名がついた神社が多くあり、樹木は古くから信仰と深く関わるものであったことがわかります。長い年月を経て成長し、私たちの手によって生活に身近な崇高の対象の形になっている樹木は、形を変えても大切に存在でもあります。
仏壇に使われる伝統や技法は後世に引き継がれていくべき財産です。高級な銘木は入荷もなかなか難しいので、仏壇を素材で選ぶ場合には、値段はもちろん耐久性や色調、補修の際の木材の入荷の様子など、先々のことを考え選ぶことが大切です。
後悔しないお仏壇選びのための総合カタログをプレゼント!後悔しないお仏壇選びのための総合カタログプレゼント!
- 購入する時の注意点とは
- 価格・サイズ・設置例を詳しく
- 我が家にぴったりのお仏壇とは
- お仏具の役割やお飾りの仕方
- ご安置のポイント
- お仏壇Q&A
- お仏壇選びステップガイド
- リビングルームにあうカタログ