曹洞宗の仏壇について

曹洞宗とは、鎌倉時代に道元禅師が日本に伝えた禅宗の一つで、多くの人から信仰されています。一般的に、仏壇や仏具の置き方、お供え物については宗派ごとに決まりごとがあります。今回は曹洞宗の仏壇や仏具、お供え物などについて紹介します。

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曹洞宗の仏壇とは

最近は金仏壇や唐木仏壇のような伝統的な仏壇や、伝統的な仏壇をコンパクトにしたミニ仏壇、まるで家具のようなモダンなデザインをした家具調仏壇など、さまざまな種類の仏壇があります。

曹洞宗では金箔が施された豪華な金仏壇ではなく、銘木の美しい木目を生かした落ち着いた雰囲気の唐木仏壇が選ばれる傾向があります。

唐木仏壇には黒檀や紫檀などの唐木の銘木、桑や欅などの国内の銘木が使用されています。

また、住宅環境が変化する中、仏間や和室のない家庭も増えており、フローリングの洋間に置いても違和感のないモダンなデザインの家具調仏壇を選ぶ方も多いようです。家具調仏壇では、唐木仏壇で使用される木材のほか、オークやメープルなどの輸入木材が使用されているものもあります。

仏壇の色についても決まりがありません。黒檀や紫檀のような重厚感のある色からオークのような明るい色のものまで、インテリアや好みに合わせて選ぶことができます。サイズにも決まりがなく、仏間に置くような従来の床置きタイプからタンスや棚の上に置く上置きタイプなど、さまざまな仏壇があります。曹洞宗では仏壇の置き場所に合わせて仏壇を選ぶことができます。

曹洞宗の本尊

仏壇は、故人やご先祖様を祀る場所というだけではなく、お寺の本堂と同じように仏様がいる世界「須弥山」を現します。つまり、仏壇は家の中にあるお寺という位置付けです。

従って、仏壇の中には本尊を祀る必要があります。彫刻品である仏像だけでなく、掛け軸や絵画、書なども本尊として祀ることができます。

曹洞宗の本尊は、仏教の開祖である釈迦牟尼仏です。一般的には、中央に釈迦牟尼仏の仏像を祀ります。家庭は釈迦如来像は、結跏趺坐(けっかふざ)といって、菩提樹の下で座禅を組んで悟りを開いている姿をあらわした像を安置します。さらにお脇掛として永平寺を開いた高祖・道元禅師の掛け軸を右に飾り、総持寺を開いた太祖・瑩山禅師の掛け軸を向かって左に祀ります。掛け軸を祀る際は、本尊よりも掛け軸が高くならないようにしましょう。釈迦牟尼仏と道元、瑩山禅師が描かれた「一物両祖」と呼ばれる掛け軸を祀る場合もあります。

また、中央に釈迦如来像、右手に達磨大師、左手に道元禅師を祀ることもあります。

しかし、曹洞宗ではお寺によって阿弥陀如来や観世音菩薩、地蔵菩薩を本尊にしている場合があります。本尊については、菩提寺に相談しましょう。すでに縁のある仏様がいる場合は、その仏様の仏像や掛け軸などを祀ることもできます。

曹洞宗の仏具と配置

曹洞宗では仏具についても決まりがありませんが、一般的に三具足(花立・火立・香炉)または五具足(花立・火立・香炉・仏飯器・茶湯器)に、おりんや高杯、線香差し、マッチ消しなどを設置します。

先祖代々の位牌がある場合は本尊の下の段におきます。最近は、モダンなデザインの位牌もあるので、新しく購入する場合は仏壇のデザインに合わせて選ぶようにしましょう。

そして、次の段にお供えのための仏器と茶湯器、最下段の中央に高杯、両端に花立を置きます。そして、経机の上に、火立や香炉、おりんなどを置きます。

上置きタイプの仏壇やミニ仏壇などはスペースに限りがあるので、置くことができる仏具の数やサイズが限られます。しかし、三具足を基本に自分が必要だと思うものを揃えれば問題はありません。また、家具調仏壇にも合うモダンなデザインの仏具もあるので、仏壇のデザインやインテリアの雰囲気などに合わせて選びましょう。

曹洞宗のお供え物

曹洞宗はお供え物についても特別な決まりはありません。仏教では一般的に毎日仏壇にお供えするものとして5つのお供え物があります。このお供え物は五供(ごくう)と呼ばれ、香(線香やお香)、花、灯明(ろうそく)、浄水、飲食(おんじき)を指します。

線香や香は香炉、花は花立、灯明は火立の仏具を使います。浄水は水またはお茶のことで、茶湯器に入れてお供えします。茶湯器がない場合は故人がいつも使っていた湯のみなどでも問題はありません。飲食は、仏飯器に炊き立てのご飯の一膳目をお供えします。そして、ご飯が固くなる前にお下がりをいただきましょう。ほかにも飲食として、高杯に故人が好きだった菓子や果物などを乗せてお供えします。腐りやすいものや匂いがするものは、避けたほうが無難です。

まとめ

曹洞宗は他宗派と違い、仏壇の種類や飾り方について特別な決まりがありません。また本尊に関しても、縁ある仏様の仏像や掛け軸などを祀っても良いため、家庭によって祀っている仏様が違うかもしれません。しかし、故人を偲び、仏様やご先祖様に感謝する気持ちは変わりません。それぞれの地域性やお寺の考え方にもよりますので、わからないことがあれば、お近くの仏壇仏具店、菩提寺などに聞いてみましょう。

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