亡くなった方がいた場合、位牌を作成しそれを仏壇において日々のご供養を行うのが一般的ですが、昨今の住宅事情によっては仏壇や位牌を置きたくないという方も多くいらっしゃるようです。
また、後継ぎがいないなどの理由で、仏壇自体を処分してしまった後の日々のご供養を考えている方もいらっしゃると思います。
そういった方のために、位牌なし、仏壇なしでのご供養を実践される場合はどのようにすべきかという案をご紹介します。
仏壇っぽくないミニ仏壇、クリスタル位牌という選択肢
「いかにも仏壇」という感じの仏壇を室内に置きたくないという声はよく聞かれますので、メーカー側もそれに配慮して様々な商品を出しています。
仏壇っぽくないミニ仏壇・モダン仏壇にしてみる
例えば、下記の「モダン仏壇 現代仏壇 キューボ」は、ふたを閉めればまるで小物入れのような見た目。
カラーボックスの1段分に収まるサイズなので、来客の時はふたをそっと閉めれば気づかれません。
他にも、インテリアのような仏壇や、扉を閉めれば仏壇と分かりにくいデザインのものが多数あります。
クリスタル位牌だけを置いてみる
これも人気の供養方法です。まるでインテリアのような美しいクリスタルガラスで作成された位牌だけを置き、それを仏壇と見立ててご供養するケースです。
人気があるのは、こういった位牌に見えないデザイン性の高いクリスタル位牌です。
この『ガラス位牌 「oeuf」』シリーズは、ひとつひとつ柄の入り方が異なり、ひとつとして同じデザインがありません。
気に入った一期一会のデザイン、手のひらサイズの扱いやすさで大変人気の商品です。
下記の「水音(みずのと)」というご位牌は、びいどろを使用し、高級感と透明感を兼ね備えた美しいご位牌です。
仏壇があればしまうように安置することができますが、場所がなかったり、そこまで隠す必要がないと思う場合は、そっとこれを棚の上に置いておくだけでも、故人に見守られているようで安心感がわいてきます。
カラーバリエーションも豊富なので、室内の雰囲気や、故人をイメージした色で作成することができます。
他にも今は素敵なクリスタル位牌がたくさん販売されています。
仏壇や位牌のかわりに手元供養がおすすめ
位牌や仏壇がなくても「手元供養」という方法があります。
手元供養は、故人の遺灰を入れたペンダントや、持ち歩けるようなミニ位牌、ミニ骨壺などでご供養する方法です。
いずれも数センチ程度のペンダントや、10センチ程度の骨壺や位牌ですので、置き場の問題には困りません。
また、身に着けるもよし、引き出しなどの中にしまって、必要な時だけ取り出すこともできるので、『持ち運び可能な仏壇』とでも考えていただいてよいかもしれません。
宗派に関わらず使用できるというのも手軽さのポイントです。
仏壇なし、位牌なしでも故人への敬意を
さらに手元供養もなしで…、ということを考えている方もいらっしゃると思います。
その場合は、下記にあるような写真などでのご供養はいかがでしょうか。
見やすい場所に個人の写真などを飾り、日々のご供養はお線香やろうそくをあげたり、語り掛けたりするといった使い方です。
下記の記事の著者は、そういったご供養をすることで、故人をより身近に感じられるようになったと書いています。
写真立ての他に、線香やおりんを置いてみる
お線香は、今ではいかにもといった線香ではなく、「お香」として香りも見た目もおしゃれになったものがたくさん出ています。
こちらは煙もにおいもカットしたお線香です。賃貸住宅や、リビングでのご使用にお勧めです。
ろうそくやおりんもあれば、おりんを鳴らして明かりを灯してあげることができるので、より丁寧なご供養が可能です。
これらも、おりんに見えないかわいいデザインの物や、ろうそくもLEDでスイッチ一つで灯せるものなど、いろいろな商品が発売されています。
まとめ…形にとらわれなくても、供養の心が大切です
葬儀の規模も縮小し、高価な仏壇や、立派なお墓を選ばない終活をされる人も増えた現代。
仏壇も、あえて立派で大きなものにこだわらなくても、大切なのは故人を想い、その安寧を願う気持ちです。
その気持ちに向き合うための場所が「仏壇の前」であるのであれば決して何か立派な祭壇が必要なわけではないのかもしれません。
事例のように、写真立てで簡易に供養するもよし、線香やおりんだけを置いて自分だけのオリジナル祭壇にするもよし、または手元供養だけでいつでも故人を思えるようにするのもよいと思います。
ライフスタイルに応じた臨機応変なご供養で、悲しみと向き合い、しっかりと故人を想えれば、それが最も良い選択なのだと思います。