蒔絵について

この記事では、蒔絵とその基本的な技法、仏壇に施される蒔絵、最近の仏壇に見られる蒔絵について詳しく解説します。
蒔絵とは
蒔絵師は漆を何層にも重ねて立体感を出したり、絵柄を炭で研いで艶を出したり、さまざまな技法を用いて美しく装飾します。蒔絵の精緻優美な姿は日本の伝統工芸の極みとも言われており、美術品としても高く評価されています。
蒔絵の基本的な3つの技法
研ぎ出し蒔絵
研ぎ出し蒔絵では、金粉を蒔いた後、表面全体に漆を塗り乾燥させ、木炭で蒔絵層が出るまで研磨します。磨くことで、光沢と強度が出るようになります。金粉をどれだけ美しく出せるかが職人の腕の見せ所です。
研ぎ出し蒔絵は、下地にある漆と蒔絵の面が平らなことが特徴です。表面を強く傷つけないかぎり、金粉がとれることはありません。
平蒔絵
研ぎ出し蒔絵との違いは、金粉を蒔いた後、漆を表面全体に塗るのではなく、文様のみに塗る点です。下地になる面よりも、文様が盛り上がっているのが特徴です。
高蒔絵
漆上げ
炭粉上げ(または焼錫粉上げ)
錆上げ
伝統的な手法で蒔絵が施される金仏壇
中でも浄土真宗などで用いられる金仏壇は、金箔や金粉を施し、蒔絵や彫刻、錺金具(かざりかなぐ)などで絢爛豪華に装飾します。木地、塗り、蒔絵、金箔押し、彫刻、錺金具など、それぞれの工程で専門の職人が手作業で制作しており、日本古来の伝統工芸の技術が集約されていると言われています。
金仏壇は江戸時代から続く歴史ある産地が全国各地にあります。経済産業大臣指定の15産地は、以下のところです。
・山形仏壇
・新潟白根仏壇
・三条仏壇
・長岡仏壇
・飯山仏壇
・三河仏壇
・金沢仏壇
・七尾仏壇
・彦根仏壇
・京仏壇
・大阪仏壇
・広島仏壇
・川辺仏壇
それぞれ地域で独特の技法が用いられており、蒔絵や彫刻、塗りなどが少しずつ異なります。
最近の仏壇にみかける蒔絵
このような蒔絵は、唐木仏壇や家具調仏壇の装飾にも使用され、宗派やお住まいの間取り、予算、好みなどに合わせて購入でき、仏壇選びの選択肢を広げています。
まとめ
蒔絵を施した本格的な仏壇を検討したい、手頃な価格で蒔絵を施した仏壇を探している、などの仏壇のご要望がありましたら、お気軽にご相談ください。

