浄土真宗本願寺派の仏具について

仏具とは、仏壇をお祀りする際に飾る道具のことです。仏教には多くの宗派があり、その宗派ごとにさまざまな決まりごとや特徴があり、仏壇や仏具にもその宗派の教えがふんだんに盛り込まれています。自分の宗派について学んでおくことで正しく仏様やご先祖様をお祀りしましょう。ここでは浄土真宗本願寺派の仏壇や仏具について解説します。

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浄土真宗本願寺派の仏壇
浄土真宗本願寺派の仏壇と大谷派の仏壇の違い
浄土真宗本願寺派の仏像、脇侍
浄土真宗本願寺派の仏具の特徴
浄土真宗本願寺派の仏具の並べ方
まとめ

浄土真宗本願寺派の仏壇

浄土真宗で金仏壇が選ばれる理由

浄土真宗では、金仏壇が選ばれる傾向があります。その理由には諸説ありますが、ひとつは浄土真宗の教えを広めるために金仏壇が用いられたからといわれています。金仏壇によって極楽浄土のすばらしさを伝えたという説です。

浄土真宗本願寺派の仏壇と大谷派の仏壇の違い

浄土真宗にはいくつもの宗派があり、その中でも代表的なのが浄土真宗本願寺派（西本願寺派）と浄土真宗大谷派（東本願寺派）です。どちらの宗派も主に金仏壇を使用しますが、本願寺派の仏壇と大谷派の仏壇には細かな違いがあります。

例えば、大谷派の仏壇は柱が黒塗りなのに対して、本願寺派はすべてが金箔押しになっています。また、大谷派では仏壇の屋根が二重になっていますが、本願寺派の場合、仏壇の屋根は一重です。

浄土真宗本願寺派の仏像、脇侍

浄土真宗本願寺派のご本尊は阿弥陀如来です。ご本尊は各宗派の教えが最も反映されている部分で、本願寺派は阿弥陀様の掛け軸か、もしくは仏像をご本尊としてお祀りします。仏像の場合は、頭のうしろと体のうしろから光が差している立像を、掛け軸の場合は絵の上部に8本の後光が差した立像のものを選びます。

また、脇侍は向かって左側に蓮如上人、右側に親鸞上人をお祀りします。

浄土真宗本願寺派の仏具の特徴

浄土真宗の仏具の特徴

浄土真宗の仏具の最大の特徴は位牌がないことです。

これは、ご本尊である「阿弥陀如来」を信じると決めた時点で誰でも仏になれることが約束されるという他力の教えからきています。そのため他の宗派とは違い、故人があの世で仏になれるようにと祈る必要はありません。浄土真宗では、位牌の代わりに過去帳に故人の名前や没年月日などを書き記してお祀りします。

また、浄土真宗では仏壇にお水やお酒などのお供え物もしません。これも故人が亡くなった時点で仏になり、喉も渇かずお腹も空かない状態にあるため、お供えする必要がないという考えからきています。その代わりに、華瓶（けびょう）という仏具を使って水分をお供えします。

浄土真宗本願寺派の仏具

仏壇を祀る際に使う仏具も、やはり仏壇と同じく宗派による違いがあります。本願寺派の正式な仏具は、宣徳色（せんとくしょく）の花立・灯立・香炉の三具足、もしくは花立と灯立各一対と香炉の五具足が基本とされています。

ただし、最近は仏壇を安置する場所や仏壇の種類や大きさ、デザイン、また好みなどに合わせて仏具を選ぶ方も増えています。地域やお寺によって考え方もことなります。推奨される仏具がある場合もあるので、菩提寺や仏壇仏具専門店などで確認するとよいでしょう。

浄土真宗本願寺派の仏具の並べ方

一番上の段にはご本尊の仏像を中心に安置し、左側に蓮如聖人、右側に親鸞聖人をお祀りします。そして、ご本尊の前に仏器を置きます。天井には灯籠と瓔珞を飾り、中段には前卓の天板の下に打敷（うちしき）を挟んで、その上に火立・花立・土香炉を安置し、両脇に供花を置きます。一番下の段には、見台の上に載せた状態の過去帳を用意します。りんやマッチ消しなどの仏具は経机の上に置くようにしましょう。

まとめ

本願寺派の基本的な仏壇と仏具について解説しました。このように同じ浄土真宗でも本願寺派と真宗大谷派では仏壇の造りや仏具の並べ方に違いがあります。同じ宗派でも地域によって決まりごとが変わることもあるため、仏壇を購入する際はお寺や葬儀社のスタッフなどに確認することをおすすめします。本願寺派の仏壇をお求めの方や浄土真宗の宗派ごとの細かい決まりごとまで知りたいという方は、ぜひ一度お問い合わせください。