仏壇用のプリザーブドフラワーの作り方

プリザーブドフラワーとは、生花を脱水してから保存液と着色液を使って加工したものです。お墓の雰囲気をよい状態に保ちたいものの、遠方であまりお墓参りに行けないという方などが、墓前にお供えすることもあります。ここではプリザーブドフラワーの作り方や色が落ちるまでの期間、プリザーブドフラワーにできる花の種類などをご紹介します。
プリザーブドフラワーとは
プリザーブドフラワーは、生花のように美しい見た目を長期間保つことができて、使用する着色料の種類によっては実在しない色に仕上げることもできるという特徴があります。保存期間は管理方法によっても違いますが、1~2年から長い場合は10年以上持つ場合もあります。作り方と管理の方法や状態によって色持ちする年数は大きく違ってきます。
プリザーブドフラワーに似たものにドライフラワーがありますが、こちらは生花を10日程乾燥させたものです。保存できる期間は2~3か月くらいとプリザーブドフラワーに比べて短く、保存している間に色が変化するという違いがあります。
このようにプリザーブドフラワーとドライフラワーはまったく別物ですが、プリザーブドフラワーは仏壇用の飾り花としても使うことができます。そのため、少しでも長くよい状態の花を供えたいという方に人気があります。
準備するもの
プリザーブドフラワーの購入方法には、デパートやネットがあります。しかし、自宅で作ることもできます。
ここでは、自宅でプリザーブドフラワーを作る方法を紹介します。まずは以下のものを準備してください。
花用のハサミ
普通のハサミでもかまいませんが、花用のほうが茎をきれいに切ることができます。花が水を吸いやすくなるので、加工がしやすいでしょう。
ピンセット
花びらの調整をするときなどに使います。なるべく先が細いものを使用すると細やかな調節がしやすいでしょう。
透明な瓶の容器
花を溶液に浸けておくために使う容器です。花の種類や大きさに合わせて、いくつか大きさの違う容器があると便利です。小さい花ならジャムの空き瓶などでも代用できますが、大きい容器が必要であれば100円ショップなどで購入するとよいでしょう。
エタノール
花の水分や色を取り除く際に使用します。専用の溶液もありますが、ドラッグストアで買えるエタノールのほうが手に入れやすいでしょう。
グリセリン
グリセリンを入れると、プリザーブドフラワーを活き活きとした状態のまま着色できます。グリセリンもドラッグストアで購入できますが、専用の溶液も市販されています。パステルカラーやクリアカラーなどさまざまな色があるので、好みによって選ぶことができます。
インク
花を好きな色に染めるのに使います。万年筆用の補充インクでもプリンター用のインクでも問題ありません。
乾燥剤
プリザーブドフラワーを長く楽しめるように、完成品と一緒の容器に入れます。お菓子などに入っているシリカゲルでも代用できます。
プリザーブドフラワーの作り方
プリザーブドフラワーを作成する方法を紹介します。エタノールや着色溶液の匂いが苦手な方は、風通しのよい場所で作業するとよいでしょう。
①花に水を吸わせて元気な状態にする
まずは花に水を吸わせましょう。水を吸いやすいように茎を斜めに切り、30分程、水にさした状態で放置しておきましょう。十分に着色液を吸わせるためにも、ここで花を元気な状態にしておくことが大切です。
②脱水と脱色
エタノールを容器に入れて花を浸したら、1日以上放置して花に含まれるポリフェノールやセルロースといった成分を取り除きます。これらが残っていると花が変色したり枯れる原因となるので、時間をかけてあげてください。
次に、グリセリンと水を2:1で混ぜたものにインクを混ぜ合わせて色水を作ります。専用の溶液を使う場合はそのまま使用しましょう。エタノールと同じように容器に入れて花を浸し、直射日光の当たらない場所に置いて色がつくのを待ちましょう。
③乾燥
1日以上経つとしっかりと色が付いてきます。好みの色になったら水気を拭き取り、乾燥材を入れた容器に移しましょう。2日程乾燥させればプリザーブドフラワーのできあがりです。最後にピンセットで好みの形状に整えてお供えしましょう。
プリザーブドフラワーにおすすめの花は?
プリザーブドフラワーに向いているのは、花びらがしっかりして厚めの花です。薔薇やガーベラ、カーネーションなどがよいでしょう。花が開ききってしまうと散ってしまいやすいので、開きかけの花が適しています。
アジサイやヒマワリなども大きな花でも作ることができますが、百合やハイビスカスなどは色のムラができやすく難しいでしょう。
このように、プリザーブドフラワーを作るには花の種類と状態を見て作ることが大切です。
プリザーブドフラワーを作るには時間がかかりますが、長く美しさを楽しむことができます。仏壇に置いても違和感がないので、生花と一緒に飾ることもできます。
まとめ
プリザーブドフラワーは、ドライフラワーと違って生花のような質感を長期間楽しむことができます。仏壇や墓前に飾っても自然な装いに落ち着くので、プリザーブドフラワーをお供えする方もいます。
仏壇や葬儀のお手入れや長くきれいな状態を保つ方法をお探しの方、プリザーブドフラワーを装飾する際の仏具をお探しの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

