節分と仏教について

節分とは、2月の頭に行われる、寺院や神社などで「鬼は外、福は内」と言って豆をまく行事のことです。学校やご家庭で豆まきをしたことがある、という方もいらっしゃるでしょう。しかし、節分にどうして豆まきをするのか、その理由を知らない方は意外に多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、節分とは何か、節分の行事が行われるようになったのはいつからなのかといった歴史から、節分と仏教行事の関係についてもご紹介します。

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節分の意味と歴史

「節分」と聞くと、「豆まき」を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、その意味や、なぜ豆まきをするのかについてはご存知でしょうか。節分には「季節を分ける」という意味があり、その言葉が生まれたのは昔の中国でした。古代中国で考案された「二十四節気」は、太陽が移動する道を24等分して季節を表す方法です。四季の始まりは立春・立夏・立秋・立冬で、それらの前日が「節分」となります。

したがって、元々節分は年に4回存在しますが、昔は冬から春になる時が1年の境と考えられ、もっとも重んじられたため、やがて立春の前の日だけを指す言葉になったといわれています。

旧暦(太陰太陽暦)では、立春は現在のお正月、節分は大晦日に当たりますが、明治5年に、翌年から旧暦を取りやめ、新暦(太陽暦)が採用されることが決まりました。それ以降、立春は現在の2月4日頃を指し、その前日の2月3日頃を「節分」というようになりました。

節分の行事の由来

「節分」という言葉の発祥が中国であるのと同じく、その行事の内容も中国から伝わったものだといわれています。

中国では周の時代から、1年の終わりの大晦日に、疫病を引き起こしたり人を苦しめたりする疫鬼を追い払う「大儺(たいな)」という儀式を行って新年を迎えたとされます。時代によって方法は異なり、漢の時代には、呪師が疫鬼を追い出す役割を担い、手には矛と盾、顔には黄金の四つ目の面、熊の皮をかぶり、黒い衣を身につけていたようです。この儀式では「豆まき」も行われていたとされています。中国において、豆は生命力が強く、疫鬼を払うことができるものと信じられていました。

日本では「大儺」が「追儺」に

中国の「大儺」は、飛鳥時代の文武天皇の頃に日本に伝えられたそうです。平安時代初期には、宮中行事として定着し、大晦日には悪霊払いをして無病息災や国家の繁栄を祈る「追儺(ついな)」あるいは「鬼やらい」の儀式が行われていました。

この儀式では、鬼を払う役目の役人が矛と盾を持ち、黄金の四つ目の面をつけます。貴族や官吏たちがそれにしたがい、「鬼やらい、鬼やらい」といって疫鬼を追い払いながら都の外まで練り歩いたそうです。この儀式は鬼を追いかけることから「大儺」は「追儺」と呼ばれるようになりました。

この宮中での追儺の儀式は、平安時代後期から戦などの影響で次第にすたれていきました。

節分と仏教行事

仏教による節分行事の起こりは、平安時代後期に白河天皇の発願により、京都の壬生寺で行われた節分厄除大法会(せつぶんやくよけだいほうえ)とされます。この行事は、今日も壬生寺で続けられています。他の寺院でも新年を迎えるための厄除けの行事として、段々と節分会が行われるようになっていきました。

仏教では悪鬼や悪魔は心の中の煩悩を意味し、煩悩が災厄をもたらすと考えられていることから、煩悩すなわち悪鬼を追い払い、すがすがしい気持ちで新年を迎えるための行事として、定着していったといわれています。

一方、「豆まき」は同じ年代である平安時代後期に公家や貴族の間で行われ、室町時代に豆をまいて邪鬼を追い払う行事として広まったと考えられています。

そして、庶民が「豆まき」を行うようになったのは江戸時代といわれています。江戸時代には仏教が広く庶民の間に普及しましたが、それとともに寺院の節分会において、「豆まき」の行事が定着していったようです。

「豆まき」の意味・作法

豆(まめ)は語呂合わせで「魔目(まめ)」であり、「魔(の)目」に豆を投げつけて魔を滅っする「魔滅(まめ)」に通じています。これによって邪気を払い、1年の無病息災を願うとされています。また、豆まきに使う大豆は煎るのが作法ですが、これも同様に「射る」の語呂合わせで、「魔目を射る」に通じるともいわれています。

また、煎り豆を使用するのには、1年の厄災を払った豆から「魔芽(災難の芽)」が出ないようにするという意味もあるようです。

 

そして、豆をまくタイミングは節分の日の夜が良いとされていますが、これは鬼が活動するのが夜だと考えられているからです。他には、厄除けに年齢プラス1個の豆を食べると良いとする風習などもあります。

まとめ

仏教は、私たちの日常生活とさまざまな部分で密接に結びついています。「節分」は、生活の節目に新たな年の無病息災を祈る行事でもあります。この意味を知って心構えを新たにすることは、邪気を寄せつけないためにも大切だといえるのではないでしょうか。

仏教行事について以外にも、仏壇のことでご相談したい方、見積もりが欲しい方は、お気軽に「相談フォーム」よりお問い合わせください。

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