仏壇の障子の手入れについて

仏壇の汚れの傾向と障子の張り替え時期について
とはいえ、仏壇も他の家具類と同じように繰り返す湿気と乾燥からの影響を受けます。ホコリやヤニからくるシミなどによって、生活をしていく中でどうしても汚れてしまいます。また仏壇特有の汚れ方としては、ろうそくやお線香などで煤が付いたり、お供え物による汚れなどが挙げられるでしょう。
扉の部分には、細い木を加工した格子が入っている上、彫刻があしらわれていたり、金で装飾した金具が止められていたりします。それらを傷つけないように、ホコリは刷毛や羽根ばたきで掃除をし、水分をこぼしたら即座に拭き取るなどの注意をしなければなりません。しかし、大切に取り扱っていても経年の劣化は避け難く、仏壇は少しずつダメージを受けていきます。
新品の時には、清々しく見えた扉の障子も例外ではありません。
しかも、外側の扉の雨戸と呼ぶのに対して、障子と呼ばれる内側の扉の紗の部分は手の触れやすい場所です。弱っているところから破れてしまうことも多々あります。
破れてしまった時だけでなく、古くなってくすんでいたり、汚れてきた場合には、痛みが進まないうちに早めに張り替えを依頼するとよいでしょう。
仏壇の障子の材料について
元々、金を入れて紗を織る技法は江戸時代初期の元和(げんな)の頃、堺を訪れた中国人技師たちによって伝えられたといわれています。
今では、外国産の金紗も多く輸入されているそうですが、国産のものは、今では高級品となっています。多くは、金色の糸が入ったものですが、中には手刺繍で彩色されたものもあり、日本で作りはじめたものは、元々がこのような手刺繍であったとの説もあります。
仏壇は家の中にある寺院を模したもの、という考え方からすると、お祀りするという意味だけでなく、お寺と考えて美しく装飾を施すのも亡くなった方への供養となります。
障子は扉ですから、仏壇全体の木の材質や色、彫刻の表現や艶などを考慮に入れて、紗をコーディネートしてみるのもよいかもしれません。
よいものを選んで大事に長く使うのか、できるだけマメに交換して清潔さを保ちたいのかという考え方によっても選択は違ってくることでしょう。
仏壇の障子の張り替え方法について
・はじめに古い障子の紗に水分を含ませ、しばらく待って、柔らかくなったら障子の格子から剥がしていきます。
・次に剥がしたあとに、固まって残った糊と紗の切れ端をヤスリで擦りながら、ていねいに取り除いていき、汚れを落とすために洗います。
・きれいになった格子に折れや傷のあった場合には、ここで修理をします。木製部分の漆や金具に装飾されている金箔も、ここで修復することができます。
・最後に均一になるよう糊を塗って、新しい金紗をまっすぐに張り直します。
・乾燥させれば仏壇に戻しますが、乾くまでに数時間はかかります。
私たちにできることとしては、仏壇へ毎日手を合わせる際に手入れをおこなうことができます。毎日は難しい、という方でも仏壇のそばにクロスや艶出しクリーム、刷毛などを用意しておくことで、小まめな掃除・手入れが可能になります。
ご先祖様の住みかである仏壇を気持ちのよい状態に保ちながら、これからも供養を続けていきましょう。
まとめ
仏壇の障子の張り替えや日々の手入れ方法についてさらに詳しくお知りになりたい方、お見積もりが欲しい方はお気軽にご相談ください。

