骨壺の選び方

『終活』が広まる中で、その活動の一つとして、ご自身の骨壺を生前に準備される方が増えています。

しかし、骨壺を選ぶ機会というのは非日常的な出来事のため、どのように選んだらよいのか迷われる方も多いと思います。そこで今回は、骨壺を選ぶ際に注意すべきポイントなどについてご紹介します。

そもそも骨壷とは、火葬した遺骨を収納するための壷のことです。

骨壺は、飛鳥時代に「蔵骨器(ぞうこつき)と呼ばれていたものが起源とされています。「土師器(はじき)」と呼ばれる素焼きの土器にはじまり、木製や金属製といったさまざまな品質の素材が使われてきました。品質に合わせて形も変化し、壺型、櫃(ひつ)型、椀形などの形の骨壺もあったそうです。

その後も時代の変化に合わせ、サイズや形、品質などが変化していきましたが、明治時代に火葬が法制化された後は、一定の規格が設けられるようになりました

日本は、地域によって拾骨する量に違いがあります。そのため、骨壺のサイズは地域によって異なります。また、納める遺骨に関しても、本骨と呼ばれる喉仏の骨と、胴骨を分けて収納する地域もあります。

形は丸みを帯びたものが主流ですが、用途に応じてさまざまなものがあります。骨壺は、金襴張箱(きんらんはりばこ)や、骨袋などに入れて保管します。最近は、ペットの骨壺などのニーズが増えてきています。

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骨壺を選ぶポイント

骨壺を選ぶ際に気をつけるべきポイントについて説明します。

骨壺を選ぶ際、遺骨をどのように供養したいのかを決めることが先決です。供養の仕方は、ご自身やご家族の気持ち、宗教・宗旨などによっても大きく変わってきます。そのため、要望に叶う適切な骨壺や副葬品を選択する必要があります。

例えば、お寺の納骨堂に納骨する場合であれば、納骨堂の規定に納まるサイズや形の骨壺を選択しなければなりません。

具体的な項目を決めていくためにも、まず遺骨をどこに安置するのか、どのように供養したいのかという方向性を定めることが重要です。

骨壷を選択する基準は、「サイズ」「価格」「デザイン」「品質」の大きく4つに分けられます。

例えば、どの地域で納骨するかによってサイズは異なります。東日本と西日本とでは、まったく別の慣習があります。

また、供養の方法、供養する場所(一般墓、納骨堂、樹木葬など)などの違いによって、サイズだけでなく品質が変わってくる場合もあります。最終的には、価格に反映されることになります。それらすべてを踏まえ、骨壺を決定していく必要があります。

サイズについて

先ほども少し触れましたが、東日本と西日本では納骨の習慣が異なっているため、骨壺のサイズが異なります。

東日本ではすべての遺骨を納めるため7寸、西日本では一部拾骨するため2寸~5寸の骨壺を使うのが一般的です。ただし、西日本でも地域によっては関東と同じように7寸の骨壺を使うところもあります。また、関西や北陸の一部には、分骨する習慣の地域もあるため、5寸や4寸の骨壺を複数用意することもあります。地域によってルールも異なるため、納骨する地域の習慣をあらかじめ確認しておきましょう。

ちなみに、寸というのは骨壺の直径の大きさです。1寸は約3センチですので、7寸の骨壺といえば、直径約21センチの骨壺、ということになります。

大人の場合であれば、6寸か7寸の骨壺を使うことが一般的ですが、小さな子どもやペットの遺骨を納める場合は、遺骨の大きさに合わせた小さ目の骨壺を選択します。反対に7寸では納まりきらないような場合、8寸の骨壺も使用することもできます。

大きなサイズの骨壺を選んでしまうと、お墓のカロート部分に収納できない場合もあるため注意が必要です。逆に、小さすぎても遺骨が骨壺に納まりきらない場合もありますので、適正なサイズを把握した上で選ぶようにしましょう。

男性と女性では骨格が異なることが多いですが、男女で骨壺の大きさが変わることはありません。あくまでも、納める骨の量で骨壺のサイズが変わってきます。

価格について

一般的な白無地7寸サイズの骨壷の価格相場は、8,000円~1万円くらいだといわれています。同じサイズでも素材が大理石のものになると、相場が2~3万円と高くなります。

そのほかに、デザインが凝っているものや仕様などによっても価格相場は異なります。有名な窯元の骨壷が作る骨壺の場合、10万円以上するものも少なくないようです。

骨壺は、大切な遺骨を納めるものです。品質やデザインにこだわりたいという気持ちも理解できますが、値段が高いものが必ずしも良い骨壺というわけではありません。

素材の耐久性や、密閉性、防湿性などを加味し、適正な価格のものを選ぶのが良いのではないでしょうか。

デザインについて

骨壷のデザインは、白無地タイプが一般的です。しかし、最近はさまざまなデザインのものがあります。白以外のカラフルなものや、花や動物などの模様が施されたもの、完全オーダーメイドできるものまであります。

特に、陶磁器の骨壺は、有田焼、九谷焼、瀬戸焼、備前焼といったようにたくさんの種類があるのが特徴です。また、後述する手元供養に用いられる小型の骨壺も、デザインのバリエーションが非常に豊富です。

最近は、骨壷に故人の名前を入れるケースもあります。その場合、故人の戒名、宗派にならったお経の文章・経分などを記すのが一般的です。

形は円筒型が一般的です。形状は主に、以下の2つのタイプがあります。

  • 白並(しらなみ、しろなみ)タイプ…骨壺本体に対して、蓋の端が内側に入り込む形状
  • 切立(きりだて、きりたて、きったて)タイプ…蓋の端が、骨壺本体に覆いかぶさる形状

このうち、壺の中に湿気がたまりにくいのは切立タイプと言われています。遺骨は、湿気にとても弱く、湿気が高い場所に長期間保管しておくと、カビが生える可能性があります。実際、お墓から遺骨を取り出したら、カビがたくさん生えていたという事例はとても多いです。

骨壺の中には、斬新なデザインのものや、華美な装飾が施されているものもあります。最近では、球体や四角型のものなど、骨壺の形も変化に富んできています。そのため、骨壺のサイズが7寸や6寸であったとしても、特別に装飾が施されている骨壺は、お墓や納骨施設に納まらない可能性もあります

納骨用の骨壺については、あらかじめ葬儀会社や納骨堂などに確認しておくようにしましょう。

品質について

骨壺の品質は陶磁器が一般的ですが、石やガラス、金属や木のものなどもあります。

陶磁器は、表面を覆うガラス質の部分・釉薬(ゆうやく)の具合や、絵付けなどによって、さまざまな表情を出せるのがメリットです。

石の骨壺は耐久性に優れ、種類も豊富です。有名な大理石や、通気性と速乾性に優れた幸石、オニキスや黒大理石、墓石に使われる花崗岩などがあります。ただし、石で作った骨壺は重くなるため、取り扱いには気をつけましょう。ガラスは加工が容易なため、デザイン性の高い骨壺が作れます。

また、火葬場でお骨を拾うタイミングでは、まだ温度が高い場合もあるため、骨壺の材質によって熱が伝わりやすく高温になるものもあります。場合によっては、骨壺が割れてしまう可能性もあります。このような時には、火葬場では葬儀社や火葬場で購入した陶磁器のものを使い、温度が下がった収骨の翌日以降に、好みの骨壺に移し替えるようにしましょう。

さらに、最近では、環境にも配慮した、和紙や粘土質で作られた骨壺も登場しています。このような品質の骨壺は、数年経つと朽ち果てて土に還ります。そのため、お墓のカロートの下が石で覆われていない所や、一部の樹木葬では、遺骨を自然に還すことができます。しかし、遺骨はそのまま残しておきたい、将来的に遺骨を移動させたいとお考えの方には不向きであるといえます

手元供養のための骨壺

手元供養とは、遺骨を自宅など手元に保管して供養することです。骨壺も手元供養のためのものが存在します。

手元供養には、遺骨の保管方法が2つあります。1つは、遺骨と遺灰をすべて自宅で保存する方法で、もう1つはお墓や納骨堂に納骨し、一部を分骨し自宅で保存する方法です。

そのため、手元供養のための骨壺は、比較的種類も豊富です。いわゆる骨壺型だけでなく、オブジェのようなデザイン性の高いものや、お守りやアクセサリー型といった携帯できるものまであります。最近は、故人の趣味などが反映されたデザインの骨壺を選ばれる方も多いようです。

手元供養は、徐々に浸透してきている供養方法ですが、家族や親戚が手元供養を行うことに抵抗を示すこともあります。手元供養を希望される方は、後日のトラブルを防ぐためにも、事前にきちんと話し合うことをおすすめします。

骨壺を購入できる店は?

骨壺は、葬儀社や火葬場のほか、仏壇・仏具店、石材店などでも取り扱っています。また手元供養のための骨壺などは、手元供養専門のギャラリーもあります。

インターネット通販でも購入はできますが、可能であれば店舗に足を運んで実物を手に取ってみることをおすすめします。

実際に骨壺を取り扱う仏壇・仏具店を、いくつか紹介したいと思います。

お仏壇のセレモア/立川総本店

併設している「壺ギャラリー沙羅」では、数多くの骨壺を取り揃えています。

九谷焼、有田焼をはじめとした全国の窯元、有名作家による創作骨壺やペット用骨壺など、数多くの骨壺を取り揃えています。骨壺をお探しの際には一度は訪れたい優良店です。

株式会社メモリアルアートの大野屋 メモリアルギャラリー千葉

斎場「常光閣」の中にあるお店で、葬儀の際の仏壇や仏具が多くあります。

大野屋の品質基準をクリアした高品質な仏壇でありながら品揃えは豊富で、リーズナブルなものを数多く取り揃えています。お気に入りの骨壷が、きっと見つかります。お仏壇、仏具、手元供養を豊富に取り揃え、手元供養は納骨サービスの対応も可能です。

お仏壇の日本の心/飯能店

日本の心飯能店は、お仏壇はもちろんお線香数珠、位牌などすべての商品を国産品にこだわり、本当に良い品をできるだけ安価にご提供しています。

お墓(墓石)や葬儀など、すべて自社施工のため、さまざまなご相談に対応できる点が強みです。香典返し(返礼品)や供花、果物(お供え物)、精進料理などの手配も可能です。また、関東一円の民間霊園とも業務提携をしているため、樹木葬や納骨堂、永代供養墓などのご案内から、海洋散骨まで、幅広いニーズに対応。葬儀の事前相談も、毎日無料で開催中です。

有限会社 照泰仏堂

照泰仏堂は、仏事のトータルサポートということで、六つの安心無料サービスを展開しています。

①古いお仏壇の「焼却ご供養」(お仏壇ご購入者の方)

②御位牌の文字彫り(御位牌ご購入者の方)

③専門家によるご安置

④高級仏具一式サービス

⑤お手入れ用具サービス

⑥県内・近県配達無料

お仏壇、仏具、線香、満中陰志、神棚といった多様な品揃えに加え、キッズルームやカフェといった休憩スペースも完備のご家族で訪問しやすいお店です。

ご自身にあった骨壺を選びましょう

亡くなった家族の大切な遺骨を、長期間にわたって納めるのが骨壺です。お墓で供養するだけでなく、手元供養を行う昨今の傾向に合わせ、現在では、実にさまざまな種類の骨壺が揃っています。

今回紹介した骨壺選びのポイントを参考に、ご自身の希望に叶う理想の骨壺を見つけていただければと思います。

骨壺は前述した仏壇・仏具店などで購入することができます。仏壇・仏具店で購入する場合は「いい仏壇」の割引クーポンを利用することもできますので、ぜひ、ご利用ください。