手元供養とは?種類や費用を解説

住環境や家族構成の変化に伴い、近年新しいご供養方法である「手元供養」が注目されています。

手元供養では、遺骨や遺灰をお墓に入れるのではなく、自宅に置いてご供養をします。

遺骨を自宅で保管するため「自宅供養」と呼ばれることもあります。

保管方法はさまざまですが、住環境・故人への想い・予算などの条件に合わせて幅広く選択できます。

形式にとらわれない新しいご供養の仕方が手元供養なのです。

ここでは手元供養の種類・費用やメリット・デメリットについて説明していきます。

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手元供養の種類

手元供養品の種類はさまざまで、おしゃれなものがたくさんあります。

そのため選択肢にも幅があり、当然どんなかたちを選ぶかで費用もかわってきます。

ミニ骨壺

コアボトルタイプ

遺骨や遺灰の一部をおしゃれな容器(コアボトル)に納めて保管するタイプの小さな骨壺です。

デザインは和風のものから洋風のものまで、素材は陶器・金属性・ガラス製など種類が豊富です。

お部屋の雰囲気に合わせて自由に選ぶことができます。

大きさは手のひらサイズのものが一般的ですが、携帯用の骨壺などもあります。

最近ではデザイナーが作るミニ骨壺などもあり、話題を呼んでいます。

ペンダント

カロートペンダント

アクセサリー型の手元供養品として人気があるのがペンダントタイプです。

中に小さな空洞があり、そこに遺骨や遺灰を入れられる形のものと、遺骨や遺灰をダイヤモンドなどの人工の宝石や、樹脂などに加工するものの2種類があります。

どちらにしても身に着けて持ち歩くことができるので、故人をより身近に感じられる方法のひとつです。

ブレスレット

ペンダント同様、中の空洞に遺骨や遺灰を納められるものや、遺骨や遺灰を直接加工してつくられるものがあります。

ベルト部分がチェーンのタイプや革のタイプ、遺骨や遺灰を数珠に加工する念珠タイプのものもあり、男性の方でも比較的身に着けやすいデザインもあります。

特に、数珠は色も豊富なので、好みの色でつくることができます。

ブローチ

普段は家の中に飾っておいて、特別なときに一緒に外出したい、という想いをかなえてくれるのがブローチ型です。

身に着けないときに入れておくための専用ケースを用意してくれるお店もあります。

また、名前などを刻印したプレートを取り付けられる場合もあります。

直接肌に触れることがないので、金属アレルギーがありアクセサリータイプは難しいという方でも、身に着けやすいです。

ステージ

ステージは手元供養のための飾り台・ミニ仏壇のことです。

ご家庭にお仏壇はないけれど、遺骨や遺灰をお仏壇のようにお祀りしたいという方にぴったりです。

こちらも素材やデザイン、大きさの種類が豊富です。

立体的なものからお盆のようなものまでさまざまで、お部屋の雰囲気やスペースに合わせて選べます。

供養品と一緒に故人の写真や仏具を置きたい場合にも、飾り台があることでより華やかにお祀りすることができます。

オブジェ

地蔵型

オブジェは、ミニ骨壺のように中に遺骨や遺灰を保管できるタイプのものと、遺骨や遺灰を加工して形をつくるタイプのものがあります。

例えば、納骨タイプだと

  • 故人の姿をブロンズ像で再現した形
  • 仏像やお地蔵さまの形
  • フォトスタンドの形

などがあり、それぞれ文字を刻印することができる場合もあります。

遺骨や遺灰を加工するタイプだと

  • ガラス加工の水晶玉や人造石
  • セラミック加工で陶器のプレートや花瓶をつくる

などの方法があります。

手元供養品と一緒に飾れる仏具

最近ではクリスタルなどでできた、手のひらに乗せて拝める位牌なども登場しています。

遺骨を入れることはありませんが、親族でいくつも作ることができます。

小さなステージにミニ骨壺と小さな位牌を飾るなど、お祀りの仕方も多種多様。

これもある意味、手元供養といえます。

手元供養にかかる費用

手元供養そのものに絶対必要な費用は基本的にありません。

そのため、すでに触れましたが、ご供養方法によって費用が大きく変わります

かかる費用の内訳には

  • 手元供養用に遺骨を粉骨する場合の費用
  • 遺骨を手元供養品に加工するための費用
  • 手元供養品を購入するための費用
  • 分骨するための費用

などがあげられます。

それぞれの相場について説明します。

遺骨を粉骨する費用

粉骨にかかる費用は、一般的に1~3万円前後が相場とされています。

ただ、骨壺のサイズ粉骨の方法(手作業・機械)によって費用が大きく変わるため、まずは確認をするようにしましょう。

また、すでにお墓の中に納骨されていた遺骨を粉骨する場合と、新仏の遺骨を粉骨する場合など、遺骨の状態も費用に影響します。

実は、遺骨の粉骨は法律的にだれが行っても問題はありません。

そのため自身で粉骨を行った場合、費用はかかりません。

しかし、自身で粉骨するのに抵抗がある方は、専門の業者などに依頼するようにしましょう。

遺骨を加工する費用

遺骨を加工する費用は、どんなものに加工するか、どんな素材を使用するかで大きく変わります。

おおよその相場として、下記に例をあげてみました。

素材参考費用
シルバー素材(アクセサリー)2~3万円程
プラチナ素材(アクセサリー)20~30万円程
ダイヤモンド加工最低30万円~数百万程度

アクセサリー加工の場合、上記のように素材によって価格が大きく変動します。

特にダイヤモンドは、希望の大きさやカッティングにより費用の幅が広がります。

手元供養品を購入する費用

手元供養品としてスタンダードな「ミニ骨壺」も、数千円~数万円と費用に幅があります。

デザインに凝ったものや伝統工芸品のようなものだと、30万円前後のものもあります。

ミニ骨壺を選ぶ基準として、密閉状態のしっかりしたものを選ぶことが重要です。

選ぶ際にはデザインや値段だけではなく、機能性も考慮してみてください。

手元供養品は、通信販売や仏壇仏具店で購入できます。

最近は、手元供養品の専門店も増えてきいます。

手元供養を考えているという方は、一度お近くのお店で相談してみてはいかがでしょうか。

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  • 亡くなった家族を身近に
  • 購入する時の注意点
  • 跡継ぎがいない方に
  • 後継者への負担が少ない方法
  • お墓が決まるまでお骨を保管
  • お墓の代わりに
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  • 自宅でお墓参り
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分骨の費用

分骨する場合は、分骨証明書の発行1通あたり100~300円程度かかります。

分骨した後の埋葬先が複数ある場合は、それに伴い骨壺代もプラスされます。

骨壺の費用は大きさにより異なりますが、1つあたり数千円~数万円前後が相場です。

すでに納骨されている遺骨の分骨費用

分骨で費用が大きく変わるのは、すでに納骨されている遺骨を分骨したい場合。

その場合には、下記の費用がプラスで必要になります。

  • 遺骨を取り出すための墓石移動費
  • 閉眼供養や開眼供養のお布施代

一般的に墓石の移動費は2~3万円程お布施は1~3万円程が相場とされています。

手元供養の方法/全骨供養と分骨供養

手元供養は、おおまかに「全骨供養」「分骨供養」の2種類に分けられます。

遺骨の全てを自宅で保管する「全骨供養」

全骨供養の場合は、遺骨の量が多いため、大きめの骨壺で保管することが多いです。

体積を減らしたい場合は、遺骨をパウダー状にする粉骨」で、約5分の1程度まで体積を減らすこともできます。

自宅に遺骨を保管するため、特別な手続きは不要ですが、将来的に遺骨をどこに納めるのかを決めておく必要があります。

全骨供養では、すべての遺骨を自宅で保管するため、大きめの骨壺を置く場所が必要です。

遺骨を保管するためにお仏壇を用意したり、広めのスペースを取ったりする必要があります。

遺骨の一部を持ち帰る「分骨供養」

分骨供養の場合は、遺骨を複数に分けてご供養することができます。

遺骨の一部をお墓に納める場合には、分骨証明書が必要になります。

火葬時に分骨をしたい場合は、前もって分骨する旨を伝えておきましょう。

そうすることで、分骨証明書や火葬証明書などの埋葬時に必要な書類手続きがスムーズになります。

また、全骨供養と同じで、将来的に手元供養の遺骨をどこに納めるのか決めておくと良いでしょう。

分骨供養の魅力は、住環境や家族の想いに合わせたご供養スタイルを選択できるところ。

選択の幅が広く、持ち帰る遺骨の量を自分で決めることができる分骨供養。

分骨する際の手元供養には、下記のような選択肢があります。

  • ミニ骨壺などに遺骨を入れて自宅で保管する
  • 身につけるアクセサリー(ネックレス・ブレスレットなど)に遺骨を入れて保管する
  • 遺骨を加工する(陶器・アクセサリー・ダイヤモンドなど)

手元供養以外の遺骨の埋葬先

分骨した場合、お墓がある場合は従来通りお墓に残りの遺骨を納骨するのが一般的です。

お墓がない場合は、下記のような選択肢もあります。

<合祀永代供養>

合同墓、合葬墓、共同墓などとも呼ばれる共同のお墓に納骨する方法です。

納められた遺骨は宗教や宗派に関係なく、お墓の管理者によって永代まで責任をもって供養されます。

<本山納骨>

仏教ではもともとの信仰的な習慣として、分骨した一部を大本山に納めることが一般的でしたが、最近ではすべての遺骨を納める方も増えています。

本来であれば信仰のある方が対象ですが、申し込みをすると信者ではなくても受け入れてもらえることもあるようです。

<自然葬>

近年人気の散骨や樹木葬がこの方法にあたります。

散骨は、粉末状に砕いた遺骨を海や山などの自然に撒くことをいいます。

粉骨自体は自分ですることもできますが、散骨する場所によってのトラブルが起きているため、専門の業者に依頼することをおすすめします。

樹木葬は、遺骨を土に埋め、墓石を置くかわりにバラや桜などのシンボルとなる樹木を植える方法です。

歴史の浅い埋葬法ではありますが、自然に還るというイメージの良さや、継承者が必要ないことなどの理由から近年人気が高まっています。

手元供養を選ぶ3つのメリット

ここまで、手元供養の種類や費用について紹介しました。

ここでは、手元供養が選ばれる理由やメリットを紹介します。

遠方へ出向かずに自宅でご供養できる

手元供養が選ばれる理由のひとつとして、お墓や納骨堂が遠方にあるためお参りが困難というものがあります。

自宅でご供養ができる手元供養なら、遠方に出向く必要はありません。

また、天候や時間を気にすることなく、いつでもお参りができます。

故人を身近に感じられ、安心感を与えてくれる

手元供養なら自宅でお参りができるため、故人を身近に感じられるのも嬉しいポイントです。

大切な方が亡くなってしまったことに対し、なかなか気持ちの整理をつけられない方も多いでしょう。

故人との繋がりをずっと大切にできる手元供養なら、「近くで見守っていてほしい」「いつも身近に感じていたい」という想いを叶えてくれます。

また、手元供養をすることで自宅に心の拠り所ができるため、安心感にも繋がるでしょう。

安価で自由なご供養ができる

手元供養では、自宅に遺骨や遺灰を保管したり、アクセサリーなどで身につけたりします。

決まったご供養のスタイルがないため、住環境や故人・家族の想いに沿ったご供養の方法を選べます。

また、すぐに新しくお墓を用意できない場合などでもご供養ができます。

手元供養で全ての遺骨を自宅墓に納めるなら、お墓を用意するよりも費用負担がはるかに少なくなります。

そのため、お墓の管理や維持費などで、残る家族に負担をかけたくないという理由で手元供養を選ばれる方もいます。

手元供養のデメリット

一方で、手元供養にはデメリットや懸念点もあります。

遺骨の管理者が亡くなった場合の対処問題

自宅での手元供養を選択し、遺骨を管理していた場合。

管理していた方の亡き後、手元供養されていた遺骨をどうするのかという問題が出てきます。

例え少量であっても、遺骨を勝手に処分したり庭に埋めたりすることは法律違反になります。

また、残された遺骨を墓地などへ埋葬する場合には、管理する地方自治体などでの行政手続きが必要です。

手元供養を選択する場合には、自分が亡き後に費用以外の負担も発生する可能性を考慮しておきましょう。

そして、トラブルを避けるためにも前もって親族間でしっかりと相談しておきましょう。

親族からの理解が得られないこともある

新しいご供養のかたちとして認知されつつある手元供養

しかし、中には遺骨を分骨して持ち帰ることやお墓に埋葬しないことに否定的な考えの方もいらっしゃいます。

自分の意思だけで手元供養を選ぶのではなく、家族で納得したうえで将来的な問題もふまえて選択されると良いでしょう。

手元供養の注意点

手元供養には、メリットもある一方で、将来的な問題もいくつかあることがわかりました。

ここでは、手元供養を選択した場合の注意点やその後の選択肢を紹介します。

分骨証明書などの書類は保管しておく

手元供養の場合、自宅で遺骨を保管するため手続きや書類は必要ありません。

しかし、将来的にお墓や納骨堂への埋葬を考えているなら、その際に分骨証明書が必要になります。

万が一紛失した場合は、各自治体などでの再発行が可能ですが、再発行にも費用がかかりますので保管しておくようにしましょう。

遺骨を加工している場合は紛失に注意

アクセサリータイプへの納骨や遺骨を宝石などに加工している場合は、紛失に注意しましょう。

オブジェや陶器などに加工している場合は、それが遺骨であると家族間で共有しておくようにしましょう。

世代が変わり、ただのインテリアかと思って処分してしまった・・・

ということにならないよう、手元供養の際には家族への共有をしておきましょう。

手元供養していた遺骨の埋葬手段

手元供養の遺骨を管理していた方が亡くなった場合の選択肢としては、下記が一般的な方法です。

  • 管理者の遺骨と一緒に埋葬する
  • 親族の誰かが手元供養を引き継ぐ
  • 新しく遺骨の埋葬先や手段を探す(お墓や納骨堂に埋葬/自然葬など)
  • 分骨での埋葬先がすでにあるなら一緒に埋葬する

話題を集めている手元供養ですが、上記の注意点や将来のことも見据えた選択ができるとトラブルを回避できるでしょう。

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自分に合った手元供養を

この記事では、

  • 手元供養の種類
  • 手元供養にかかる費用
  • 手元供養品の方法
  • 手元供養のメリットやデメリット
  • 手元供養を選んだ後の注意点

以上の紹介をさせていただきました。

近年ではお墓離れが進んできており、自宅に大きな仏壇を置かないという家庭も増えてきました。

手元供養は、従来の形式にとらわれない新しいご供養の方法として、ここ10年程前から選ばれるようになってきています。

もちろん、中には手元供養をよく思わない方もいますが、故人の遺志や残された家族の想いなどをふまえ、納得された上で、より良いご供養を選択していただけたらと思います。

手元供養品を仏壇店で購入する場合は、いい仏壇の割引クーポンが利用できるので、是非活用してください。