仏画とは

仏画とは、仏様のことを描いた絵のことです。仏様の姿を描いたものだけでなく、仏教を題材にして描かれたものも仏画です。また曼荼羅や掛け軸、版画も仏画に含まれます。仏画の歴史は長く、種類も豊富です。宗派ごとに違いもあります。礼拝の対象として描かれただけでなく、仏教を広く伝えるためにも使われました。

後悔しないお仏壇選びのための総合カタログをプレゼント!後悔しないお仏壇選びのための総合カタログプレゼント!

  • 購入する時の注意点とは
  • 価格・サイズ・設置例を詳しく
  • 我が家にぴったりのお仏壇とは
  • お仏具の役割やお飾りの仕方
  • ご安置のポイント
  • お仏壇Q&A
  • お仏壇選びステップガイド
  • リビングルームにあうカタログ
上記の資料請求(無料)はこちら

都道府県一覧から仏壇店を探す

いい仏壇では、ご希望のエリア、仏壇・仏具の種類や特色、宗旨・宗派などの検索条件で全国の仏壇店を探すことができます。

現在地から仏壇店を探す

仏画とは

仏画とは、仏様の姿を描いた絵画のことを指します。

仏画は主に、寺院の壁や掛け軸などに仏様のお姿を描いたものが多いのですが、仏教を題材に描いたものも含まれます。また、絵画だけでなく、版画も仏画とされています。ちなみに、仏様のお姿を彫刻で表現したものが仏像です。

仏画にはさまざまな種類があります。例えば、礼拝などに用いられる独尊で描かれた仏様をはじめ、菩薩様の尊像画、浄土図などが一般的です。

仏画は寺院などに納められるものであるため、それを描く仏画師には日本の伝統絵画に関する卓越した技能が要求されます。

仏画師になるためには、現役の仏画師に弟子入りする必要があります。長い修行の末、独立しはじめて自らの工房を持つことが許されます。

仕事の依頼は、主に全国の寺院などから来る案件が多いようです。最近は、カルチャーセンターなどで仏画教室を開催することもあり、仏画に興味を持たれた方に対して、描き方を教えているところもあります。

仏画の概要

仏教絵画

仏教絵画とは、仏教を題材に描かれた絵画のことです。主に、崇拝や礼拝の対象とすることを目的に制作されます。

また、仏像で表現することが難しい仏教の深い教えを、多くの人に詳しく説明するためにも用いられたということです。

寺院の掛け軸や壁画、紙や絹、板などに描いた絵画や版画なども含まれます。

仏教美術の中での仏画の位置づけ

仏教美術とは、仏教の思想や信仰を題材に制作された礼拝対象や、建築物、彫刻、絵画、工芸など、人間の視覚に直接働きかける芸術を総称していいます。

仏教美術の中には、仏像、寺院建築と並び、仏画が含まれます。当初、口頭で伝えていた仏教ですが、教義内容の説明が難しい部分もあったため、それを補完する形で仏像や仏画が作られるようになりました。

それにより、仏教美術の発展につながっていきました。

仏画が見られる・描かれる場所

身近なところで仏画が見られる場所としては、美術館や博物館などで開催される仏画展をはじめ、街のギャラリーやホテルの催事などが挙げられます。

また、仏画師の工房やアトリエなどでも、展示していることもあります。最近では、仏画教室の生徒の作品展などでも、見ることもできます。

本来の仏画は、寺院や仏画師の工房で描かれることが一般的でした。しかし現在では、趣味として仏画を描かれる方も多いため、一概に描かれる場所を特定することはできません。

時代別に見た、有名な仏画作品

奈良時代の仏画

奈良時代で有名な仏画は、薬師寺所蔵の「吉祥天像」とボストン美術館所蔵の「釈迦霊鷲山(りょうじゅせん)説法図」などが挙げられます。

平安時代の仏画

平安時代で有名な仏画は、京都国立博物館所蔵の「普賢菩薩(ふげんぼさつ)像」「釈迦金棺出現図」、竜光院所蔵の「伝船中湧現観音像(せんちゅうゆうげんかんのん ぞう)」、金剛峯寺所蔵の「善女龍王(ぜんにょりゅうおう)像」「仏涅槃(ねはん)図」、曼殊院所蔵の「不動明王像」、薬師寺所蔵の「慈恩大師(じおんだいし)像」、教王護国寺所蔵の「両界曼荼羅図」などがあります。

鎌倉時代の仏画

鎌倉時代で有名な仏画は、醍醐寺所蔵の「閻魔天像」「文殊渡海図」、禅林寺所蔵の「山越阿弥陀図(やまごしあみだず)」、知恩院所蔵の「阿弥陀二十五菩薩来迎図」、本願寺所蔵の「親鸞聖人像」、東京国立博物館所蔵の「地獄草紙」、京都国立博物館所蔵の「餓鬼草紙」、大英博物館所蔵の「地蔵菩薩像」、ギメ美術館所蔵の普賢十羅刹女(じゅうらせつにょ)図、シカゴ美術館所蔵の「阿弥陀三尊来迎図」などがあります。

室町時代の仏画

最後に、室町時代で有名な仏画として、リートパーク美術館所蔵の「不動明王二童子像」、ケルン市東洋美術館所蔵の「仏涅槃図」が挙げられます。

仏画の歴史

仏画の起源

仏教の起源は、紀元前5世紀頃だといわれています。最初の数百年の間は、絵画や仏像が制作されることはありませんでした。しかし、紀元後の辺りから、ギリシャ文化の影響を受けた仏像が制作されるようになり、また仏教絵画も描かれるようになったと考えられています。ちなみに、現在世界最古といわれる仏教絵画は、インドのアジャンタ石窟寺院の壁画だといわれています。

日本の仏画のはじまり

日本で仏画がはじまったのは、平安時代以降といわれています。仏教そのものは、飛鳥時代に中国を経由し日本に伝来したと伝えられていますが、現存している仏画はほとんどありません。

日本では木造建築が主流だったため、仏画は法隆寺などにある土壁の壁画以外、ほとんどが天井や柱、板壁、扉に描かれた板絵でした。一般に広く普及したものでは、礼拝用の掛幅画や巻子本 (かんすぼん)などがあったようです。

時代ごとに見られる特徴

平安時代の仏画の特徴

平安時代は、中国から伝来した仏教絵画に影響を受けた仏画が多く描かれました。特に、「曼荼羅」と呼ばれる、密教における仏の世界を表現した絵画が主流でした。

平安時代の後期には末法思想が流行したため、浄土真宗のもとで「来迎図」と呼ばれるものも描かれるようになりました。来迎図とは、人々が亡くなった後、阿弥陀如来が迎えにくるという浄土信仰の教えを絵画で表現したものです。

鎌倉時代の仏画の特徴

鎌倉時代に入ると、貴族社会から武家社会に変化した影響もあり、たくましい作風の「垂迹画」や「六道輪廻思想画(ろくどうりんねしそうが)」が描かれるようになりました。

この頃、「似せ絵(にせえ)」と呼ばれる肖像画が生み出され、仏画の中でも開祖などが描かれるようになったそうです。

それまでは仏教の教えなどを表現した作品が多かったのに対し、鎌倉時代には現実を追求しました。現実をありのままの姿が描かれるようになったことが特徴です。

室町時代~現在の仏画の特徴

室町時代の仏画は、幕府の保護を受けた禅宗による影響を強く受けました。そのため、水墨画による仏教絵画が、数多く描かれました。

江戸時代には、狩野派などの絵師が登場したことにより、襖や壁、障子に描かれる仏画も発展したそうです。 しかし、以前の時代と比較して大きな特徴の変化などは見られず、そのまま現在の仏画に至っています。

仏画の役割・目的

仏画は何を目的にして作られたものなのか、その役割について解説します。

崇拝・礼拝の対象

仏画はもともと、仏教の思想や信仰に基づいて、崇拝や礼拝の対象として描かれたという背景があります。また、教義内容を表現することで教化目的や、修法を目的に使われました。

先ほども少し触れましたが、仏像だけで伝えきれない複雑で詳細な教義内容を、民衆に咀嚼して伝えるための役割も担っていました。

絵解きなど

絵解きとは、絵画の内容を口頭でわかりやすく解説することです。仏画が描きはじめられた当時は、文字を読める人が少なかったことから、絵を使って教義の内容をわかりやすく説明する必要がありました。そのため絵解きは、仏教の布教において重要な役割を担っていました。

例えば、平安時代には、法隆寺や四天王寺において「聖徳太子絵伝」の絵解きが行われたと伝えられています。その後、絵解きを職業にする人も現れはじめ、日本中に浸透していきました。

仏間用の掛け軸(仏画)の選び方

仏間用の掛け軸に描かれる仏画は、宗派によって違いがあります。代表的な宗派について、選び方のポイントを説明します。

天台宗

天台宗の御本尊は、本来「釈迦如来」ですが、場合によって「阿弥陀如来」や「観世音菩薩」を祀ることもあります。

「阿弥陀如来」や「釈迦如来」を本尊に祀る場合は、向かって右側に「天台大師」、左に「伝教大師」を配置するのが一般的です。

浄土宗

浄土宗のご本尊には、「舟型の光背が付いた阿弥陀如来」を祀ります。そして、その両脇に掛け軸を飾りますが、向かって右に「善導大師」、向かって左側に「法然聖人」を祀るのが一般的です。

また、向かって右側に「観音菩薩」、向かって左側に「勢至菩薩」を祀るという場合もあります。

浄土真宗本願寺派

浄土真宗、本願寺派のご本尊は「阿弥陀如来」です。ご本尊が仏像の場合は、頭光と光背が付いた「西立弥陀」を祀りますが、掛け軸をご本尊に祀る場合は、「8本の後光がある阿弥陀如来」の掛け軸を祀るのが一般的です。

また、脇侍は、向かって右に「親鸞聖人」、向かって左に「蓮如聖人」を配置します。

真宗大谷派

真宗大谷派のご本尊は「阿弥陀如来」です。ご本尊に仏像を祀る場合は、頭光が付いている「東立弥陀」、掛け軸をご本尊に祀る場合は、6本の後光が差している掛け軸を祀るのが一般的です。

脇侍には向かって右に「十字名号(帰命盡十方無碍光如来)」を、向かって左に「九字名号(南無不可思議光如来)」を配置します。

曹洞宗

曹洞宗の本尊は、基本的には「釈迦如来」とされています。しかし、寺院によって「阿弥陀如来」や「観世音菩薩」「地蔵菩薩」などが祀られます。

ですので、寺院などに確認して、適切なものを選ぶ必要があります。

一般家庭の仏壇では、「一仏両祖の三尊仏」と呼ばれる祀り方で飾ります。中央に「釈迦牟尼仏」を配置し、向かって右に「承陽大師」、向かって左に「常済大師」の掛け軸を祀ることが多いです。

どの宗派についても、寺院や地域によって異なる場合がありますので、あらかじめ寺院や仏具店などに確認しておくようにしましょう。

仏画に描かれるテーマのジャンル

仏教絵画に描かれるテーマのジャンルには、以下のようなものがあります。

崇拝、礼拝の対象

仏教における崇拝、礼拝の対象として、釈迦如来、阿弥陀如来、大日如来、薬師如来、弥勒菩薩、観音菩薩といったさまざまな仏様が描かれた仏画です。

曼荼羅

曼荼羅とは、仏教の教えや世界観などを、色鮮やかな幾何学模様で描いた仏画のことです。仏教の中でも、特に密教の世界観が多く描かれています。

変相図

変相図とは、仏教における極楽浄土や地獄などを描いた仏画です。一見すると曼荼羅に酷似している部分もあるため、「浄土曼荼羅」とも呼ばれていますが、密教とは関係ありません。

浄土図

浄土図とは、平安時代後期に流行した、仏教の末法思想の影響を受けた仏画です。当時、法然や親鸞の唱える浄土信仰が広まったことで、浄土図が多く描かれました。

六道輪廻思想画

六道輪廻思想画とは、仏教における「迷う者は6つの世界を輪廻する」という思想を描いた仏画です。

6つの世界とは、「天道界」「修羅道界」「人間道界」「餓鬼道界」「畜生道界」「地獄道界」で、六道輪廻思想画では、前世や過去の行為が原因で、現在の結果がもたらされるという因果応報の世界が描かれました。

垂迹(すいじゃく)画

垂迹画とは、仏教と神道との両立を目的とした仏画のことです。本地垂迹説と呼ばれる、仏様や菩薩が人々を救うために、神(垂迹)に姿を変えて現れたというエピソードの説明が描かれています。曼荼羅の形式の仏画が多いのも特徴です。

まとめ

仏画には長い歴史や文化があり、時代とともに変化してきました。

また、仏教と深いつながりのある仏画は、我々日本人にとって関わりの深いものだと思います。

これを機会に仏画を描いてみようと思われる方もいるかもしれません。最近は、全国で仏画を教えてくれる教室などもありますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

後悔しないお仏壇選びのための総合カタログをプレゼント!後悔しないお仏壇選びのための総合カタログプレゼント!

  • 購入する時の注意点とは
  • 価格・サイズ・設置例を詳しく
  • 我が家にぴったりのお仏壇とは
  • お仏具の役割やお飾りの仕方
  • ご安置のポイント
  • お仏壇Q&A
  • お仏壇選びステップガイド
  • リビングルームにあうカタログ
上記の資料請求(無料)はこちら