神棚の「雲」について

神棚における「雲」とは、神様を祀るときの作法のひとつです。すべての家に必要なものではなく、ある条件の場合に雲が必要になります。
神棚に雲が必要な場合
例えば、マンションなどの集合住宅では自分の部屋の上にも部屋が存在し、他の住人が住んでいることがあります。また一戸建ての場合でも、1階の部屋であれば雲の文字を貼る条件に一致します。
雲の意味
このような住環境では、神棚を作った部屋の上に、また別の家や部屋があり、住人がいることになります。本来、神棚とは神様がいらっしゃる場所ですので、考え方によっては「人が神より上に立つ」ということになります。それが神様に対して失礼にあたるのではないか、そう考えられるようになりました。
昔から伝えられてきた伝統というわけではなく、近年、2階建て以上の建物が増えてきたことにより自然発生的に生まれた風習と言えます。
一般的には雲という文字が使われていますが、地域によっては「天」や「上」、「空」といった似た意味を表す言葉が使われます。
神棚の雲の種類
雲字
雲板
神棚を取り付けるための棚板の上に一緒につけることが多く、棚板を購入するとセットでついてくることもあります。
雲のかたちを模した板なので、ぱっと見は、これが雲を表しているとは気づかないかもしれません。お部屋の雰囲気を損なうとして雲字に抵抗がある方は、雲板を選ぶとよいでしょう。
雲字の用意の仕方
雲字は、字体やサイズに明確な決まりがあるわけではなく、雲という文字が書かれていればどんなものでも構いません。ネット通販で購入したり、パソコンで好きな字体の「雲」をプリントアウトしても良いです。
とはいえ、元々は神様に敬意を表すために行うものですから、できれば心を込めて手書きした雲字を用意したいものです。手書きで用意する場合には、いくつかの方法があります。
自分で書く
神社の宮司様に書いてもらう
普段お世話になっている方に書いてもらう
自分が書くよりも、自分より上の立場の人に書いてもらったほうが、より丁寧で神様に対して敬意を表すことになります。
雲字の貼り方と取り換え時期
文字がどちらを向いても特に問題はありませんが、神棚の側(神様のいる側)から見て、雲字が正しく読める向きに貼るのがおすすめです。
雲字を天井に貼るときに何を使うかも特に決まりはなく、画鋲、接着剤、セロテープなどお好みで選んで構いません。天井を傷つけない接着剤や、何回もはがせるテープなどもありますので、賃貸住宅などで天井を傷つけたくない方はホームセンターで探してみてください。
取り替え時期についても、何年に1度取り替える、といった明確な決まりはありません。ただ雲字は半紙や和紙に書かれることが多いので、紙が古くなったりほこりがつくのに合わせて、できれば毎年、少なくとも2~3年に1度は取り替えるとよいでしょう。
タイミングとしては、やはり年末に張り替えるのがおすすめです。きれいな雲字と共に、新年を気持ち新たに迎えられます。
まとめ
雲字を神棚の上に貼ることで、「神様の上には天しか存在しません」ということを表します。
雲字のように、神様や仏様をお祀りする方法は意外と知らないものです。同じようにお葬式においても、神式や仏式での作法の違いなどがわからず不安に思う方もいることでしょう。
困ったときは専門家へ、些細なことでもまずはお気軽にお問合せください。

