モダン仏壇（家具調仏壇）とは

モダン仏壇とは、置き場所を選ばない、おしゃれなデザインの仏壇のことです。最近では、家族構成やライフスタイルの変化により、伝統的な仏壇を置ける仏間や和室のない家庭が増えています。そこで、洋間に置いても違和感のないモダン仏壇が注目されているのです。

この記事では、モダン仏壇の特徴や種類、サイズ、購入場所、値段、さらには宗派によるモダン仏壇に対する考え方などの疑問について、ご説明します。

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モダン仏壇の特徴

家庭に祀られる仏壇には、大きく分けて伝統的仏壇とモダン仏壇（家具調仏壇）の二種類があります。

伝統的な仏壇には、黒の漆塗りで内部に金箔が貼られた金仏壇、銘木の木目が美しい唐木仏壇などがあります。しかしながら近年、家族構成の変化やマンション住まいの増加など住環境の変化により、こうした伝統的な様式にこだわらない、モダン仏壇の人気が高まっています。

モダン仏壇は、その名の通り家具と見間違うほどモダンでおしゃれなデザインが特徴です。そのため、これまで伝統的仏壇が置かれていた和室や仏間だけでなく、リビングなどの洋間にも置くことができます。

モダン仏壇の種類

種類としては、高さが150cm前後の床置きタイプ、タンスなどの上に置ける上置きタイプ、絵画のように壁に取り付ける壁掛けタイプ、持ち運びもできるミニ型タイプなどがあります。

扉のデザインも、スタイリッシュなガラス扉やステンレス扉、趣のある格子になっているものなど、さまざまです。床置きタイプには、拝みやすいように椅子が付いているものもあり、正座や立ったままの状態で仏壇を拝むのが難しい高齢者の方にもおすすめです。

モダン仏壇の材質

モダン仏壇は材質も、伝統型な仏壇に使われる紫檀や黒檀などの高級木材から、ウオールナットやオークなどの洋家具に使用される木材まで、さまざまです。色もブラックやダークブラウンなどの落ち着いたものから、白木調や真っ白に塗装されたものなど、部屋のインテリアと調和する種類が揃っています。

モダン仏壇には多様なデザインが揃っているため、部屋の広さやインテリア、自分の好みに合わせて選ぶことができます。また、伝統的な仏壇は宗派により様式が異なったり、宗教的にも基本的には仏教に限定されますが、モダン仏壇は、様式がシンプルで宗派や宗教を問わないため、キリスト教などほかの宗教を信仰している方や無宗教の方にも人気です。

モダン仏壇の購入場所と値段の目安

伝統的仏壇は、主に仏壇仏具店で販売されていますが、家モダン仏壇は仏壇仏具店だけでなく、墓石店や百貨店、家具店、ネット通販などでも購入できます。実際に見て選べるように、モダン仏壇専門のギャラリーが開設されたり、伝統的な仏壇仏具店もモダン仏壇の取り扱いを増やして、店舗だけでなくネット通販も始めるなど、さまざまな方法でモダン仏壇が購入できるようになっています。

モダン仏壇の値段の目安

モダン仏壇の値段は、使用されている材質やサイズ、内部の装飾などによって異なります。価格帯としては、数万円台から100万円前後。安くても数十万、高いものだと数百万円もする唐木仏壇や金仏壇などの伝統的仏壇に比べると、モダン仏壇は比較的購入しやすいお値段です。

例えば、扉などのないシンプルなデザインの上置きタイプであれば、2万円から10万円。扉付の上置きタイプならば、5万円から50万円。床置きタイプは、40万円から100万円前後で購入できます。モダン仏壇は種類が豊富にあり、同じようなデザインや材質でも、販売店や商品によって値段が異なります。予算や好みに合わせて、じっくり考えてから購入しましょう。

おしゃれなデザインのモダン仏壇用の仏具

伝統的な仏壇は、宗派によって本尊や線香立てなど、具足の祀り方が決まっています。しかしモダン仏壇は、宗派の教えに限定されず、写真や骨壺、位牌などを中心に祀るなど、従来の決まりに縛られることなく、自由に祀ることができるのが魅力です。

そうしたニーズが増えるとともに、モダン仏壇に合わせたおしゃれな仏具も登場しています。モダンなデザインで、材質もオニキスなどの天然石や陶器、ガラス、ステンレスなど、さまざまです。

モダン仏壇の中には、LED照明が備え付けられているものも多数あります。こうした仏壇では、その内部が温かみのある明るさで照らされます。お盆の時には仏壇に合わせ、おしゃれなデザインの盆提灯などを飾ることもできます。

モダン仏壇用の仏具は、仏壇仏具店やモダン仏壇専門店などの店舗、ネット通販などで購入できます。ご先祖様や故人を偲ぶ想いに沿って、自由にモダン仏壇に仏具を祀ってみてはいかがでしょうか。

浄土真宗でもモダン仏壇を使ってもいいの？

仏教の宗派の一つである浄土真宗などでは、仏壇は金仏壇にするべきといったことを聞かれた方もあるかもしれません。宗派によっては、その教義や地域の習わしなどによって、ふさわしいとされる仏壇がある場合もあります。しかし、最近ではそうした考え方も緩やかになってきているようです。例えば浄土真宗の門徒であっても、金仏壇ではなくモダン仏壇を選ぶという方は多数いらっしゃいます。

具体的には、床置きのモダン仏壇を使いながら、浄土真宗の教えに沿って本尊や仏具を配置して祀ったり、シンプルなモダン仏壇に、本尊と花立・火立・香炉の三具足だけを祀るなど、さまざまな祀り方をしている家庭も増えています。

迷ったり、不安な場合には菩提寺や仏壇仏具の専門店に相談してみることをおすすめします。