伝統の技を引き継ぐ仏壇職人の世界とは

仏壇とは、江戸時代初期から庶民の家にも置かれるようになった信仰のための道具のことです。仏壇は伝統技術が集結した工芸品でもあり、一人の職人の手によって作り出されるものではありません。ひとつの仏壇が完成するまで10数工程に分かれていて、熟練した技術を持った何人もの職人の手によって作り出されます。ここでは仏壇製作に携わる職人の種類や、役割などについて詳しくご紹介します。

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伝統的工芸品である仏壇

日本には、江戸時代から主に金仏壇(塗仏壇)を生産し続けている産地が30数ヵ所あります。そのうち、山形仏壇長岡仏壇三条仏壇白根仏壇(新潟県)、飯山仏壇(長野県)、金沢仏壇七尾仏壇(石川県)、名古屋仏壇三河仏壇(愛知県)、彦根仏壇(滋賀県)、京仏壇(京都府)、大阪仏壇広島仏壇八女福島仏壇川辺仏壇(鹿児島県)という15産地の仏壇が、経済産業省から伝統的工芸品産地として指定されています。また、伝統的工芸品産地の中でも、京仏壇は平安の最澄・空海の平安仏教の時代の仏具の製造を起源とする長い歴史があります。また、京都は日本における仏教文化の中心であることから、全国各地にある仏壇産地にも大きな影響を与えています。

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京仏壇の職人

京都には、各宗派の総本山が40以上もあります。仏壇は各宗派の本山の本堂を模していて、製造の際には本堂の様子を忠実に再現し、小型化する必要があります。各宗派に合わせた精緻な仏壇を製作するため、京仏壇は細かい分業体制をとっています。1基の仏壇が完成するまでには、約3ヵ月もかかります。

42の工程があり、「木地(きじ)」、「屋根」、「木彫刻」、「漆塗」、「蝋色(ろいろ)」、「蒔絵(まきえ)」、「彩色(さいしき)」、「純金箔押」、「錺(かざり)金具」、「総合組立」の10部門に分かれ、それぞれ専門の職人が携わっています。

木地師

仏壇の基礎となる木地の工程に携わる職人が「木地師」です。木地師は(ケヤキ)や檜(ヒノキ)、松、合板など、仏壇の部分ごとに適した材木を複合的に組み合わせて切断します。そして、釘を使わずに、仏壇の本体を仮組みします。家づくりでいうところの骨組み・土台作りです。京仏壇では、本体を製作する「木地師」と屋根を製作する「屋根師」に分かれています。

彫刻師

柱飾りや欄間など、仏壇には彫刻が施された部分があります。彫刻師は、「彫師(ほりし)とも呼ばれ、木地師が製作した木取り木地に彫刻を彫ります。龍や花、鳥、獅子、唐草、天人など、宗派ごとに特色があり、本山の様式に基づいて彫ります。例えば、浄土真宗本願寺派の欄間には牡丹が彫られています。

塗師

「塗師(ぬし)」は、木地師が組み立てた木地をいったん解体して、木地に漆を塗る職人です。いきなり漆を塗るのではなく、入念な下地塗りからはじめます。漆には天然の漆や合成樹脂塗料のカシューを用います。

蝋色師

「蝋色師」は完成した漆塗りの表面を仕上げます。「蝋色師」は、産地によっては「呂色師」とも呼ばれます。漆塗りの表面を木炭で平らに研ぎ、生漆を摺り込む「摺り漆」、磨き粉と油で光沢を出す「磨き」などの工程を経て、漆塗りの表面に美しい色艶を出します。

箔押師

「箔押師(はくおしし)」は、蝋色師が仕上げた漆塗りの表面に、極薄の金箔を一枚ずつ丁寧に押していきます。金箔の90%以上は金沢で生産されたもので、接着剤には漆を使用します。

錺師

「錺師(かざりし)」は、仏壇を華やかに美しく装飾する金具を製作します。産地によっては、「錺金具師」とも呼ばれます。金具には仏壇を補強するという役目もあります。銅や真鍮(しんちゅう)、銀などの地金をメッキ加工します。細やかな紋様を線刻する「毛彫」、透かし紋様を切り抜く「透彫」、立体的に彫る「地彫」「肉彫」の4つの伝統的な技法があります。

蒔絵師

「蒔絵師」は、漆塗りされて表面に漆で下絵を描き、金粉や銀粉を蒔いて紋様や図柄を描き出します。蒔絵には、「平蒔絵(ひらまきえ)」「研ぎ出し粉蒔絵」「肉合(ししあい)蒔絵」などの伝統的な技法があります。

彩色師

「彩色師」は金箔や白塗りされた木地の上に、泥絵具や岩絵具などを用いて色を付けていきます。彩色には、白塗りの上にはっきりとした色を重ねる極彩色、金箔の上に淡い色を付ける金彩色、木地の上に淡い色を付ける木地彩色などの伝統系な技法があります。

総合組立

「総合組立」は各工程で職人の手によって完成した部品を組み立てていきます。産地によっては「組立師」と呼ばれます。ほぞ穴をきれいに掃除し、ほぞ組を調整しながら組み立てます。錺金具や蝶番金具などを取り付け、最後にきれいに拭き上げをします。

まとめ

仏壇製作に携わる職人の種類や役割についてご紹介しました。近年は、中国など海外で製作される仏壇も多くなっていますが、日本の伝統技術を受け継ぐ工芸品でもある仏壇を後生へと引き継ぐことも含めて職人の方々は日々尽力しています。

伝統工芸によって製作された仏壇をお探しの方や見積りが欲しいという方は、お気軽にご相談ください。

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