「2020年」と言えば「東京オリンピック」を思い浮かべる方が多いでしょうが、この記念すべき年が「創建100周年」という節目の年になるのが「明治神宮」です。初詣のニュースなどで、誰もが一度はその名を耳にしたことがあるはず。今回は、この明治神宮にスポットを当て、その誕生からの歴史や、得られるご利益などについて、詳しくご紹介します。
明治神宮とは?
明治神宮は東京の代々木にある、「明治天皇」と「昭憲皇太后」をおまつりする神社です。本殿のある「内苑」、「絵画館」や「野球場(神宮球場)」のある「外苑」、結婚式でおなじみの「明治記念館」からなり、広さ70万㎡平方メートルにも及ぶ人工林は、とても都心とは思えない環境です。
毎年、お正月には日本一の参拝者を集め、大相撲の「横綱推挙式」や「奉納土俵入り」もここで行われます。また2012年には、あのミシュランによる「日本の3つ星観光地20選」にも選出されるなど、国の内外で多くの人々から「都会のオアシス」「憩いの場」としても親しまれています。
その由来や歴史は?
1912年、明治天皇は59歳でご崩御されました。今は神宮外苑となっている東京の青山で御大葬が行われ、京都南郊の伏見桃山陵に埋葬されています。その2年後には、後を追うように昭憲皇太后も亡くなられ、同じく伏見桃山東陵に埋葬されました。
これを受け、国民の間からは「お二人のご神霊をおまつりした神社」の建立を求める声が高まりました。それに応える形で、1915年に、お二人が生前よく訪れていた思い出の場所である東京の代々木に、明治神宮が建立されることが決まったのです。工事には、全国から集った延べ11万人にも及ぶ青年団が参加したと言われています。彼らの活躍により、着工から5年後の1920年11月1日に鎮座祭が行われ、明治神宮は創建されました。
しかし1945年4月太平洋戦争の折、明治神宮は米軍の空襲に見舞われ、本殿など創建当初の主要な建物が焼失してしまいました。戦後、「明治神宮の復興なくして、日本の復興はない」という機運が高まり、国の内外を問わず、多くの浄財が寄せられることに。それにより、神社建築の粋を集めた復興造営が行われ、1958年11月に明治神宮は現在の姿となりました。
1993年には、平成の御大典記念事業として「神楽殿」が、また2002年には、明治天皇御生誕150年記念境内施設整備事業の一環として「社務所」も新築されるなど、明治神宮は今も、私たちの「心のふるさと」として発展を続けています。
気になる「ご利益」は?
神社と言えば、やはり「ご利益」を期待してしまいますが、もちろん明治神宮も、参拝すると、さまざまなご利益があると言われています。また、いわゆる「パワースポット」としても高い人気を誇っています。具体的にどのようなご利益があるのか、代表的なものを、ご利益があると言われている場所とともにご紹介します。
強運をもたらす「清正井(きよまさのいど)」
以前は「知る人ぞ知る」という場所でしたが、近年テレビなどで取り上げられ、すっかり有名になりました。毎分60リットルの水が湧き出る井戸で、戦国時代の武将として知られる「加藤清正」が掘ったとされていますが、実際の真偽は不明です。「絶えることなく、大量の水が湧き出る」ということから、ここを訪れると「悪い気が浄化され、運気が上がる」と一躍パワースポットとしてまつり上げられました。また、携帯電話の待受画面に使うと、さらに効果がアップするとも言われています。
江戸時代初期から続く「代々木御苑」内にあり、入園する際は「維持協力金」として、「500円」が必要です。清正井へ続く道の途中には、明治天皇が昭憲皇太后のために植えられた「花菖蒲」があり、毎年6月には美しい花が一面に咲き乱れるので、この時期に訪れるのがおすすめです。
なお、「夕方や雨の日に行くと、悪い気をもらってしまう」とされるため、避けたほうがよいかもしれません。また、清正井のあとに本殿を参拝すると「さらに運気が上がる」「交通安全のご利益がある」とも言われています。
縁を結ぶ「夫婦楠(めおとくす)」
本殿の左横に、「夫婦楠」と呼ばれる大木があります。この木は「二本の木がしめ縄で一つに結ばれ」「互いに寄り添うように立っている」姿から、また明治天皇と昭憲皇太后は大変夫婦仲がよかったことからも、「恋が成就する」「良縁に恵まれる」「夫婦円満・家内安全」といったご利益があると言われています。そのため、明治神宮で結婚式をあげる際は、新郎新婦と親族一同が列をなしてこの木の前を通り、本殿へと向かいます。
こちらも、やはり「待受画面にすると効果が上がる」とか、ほかにも「二本の木の間から本殿を拝むと、ご利益が強くなる」とされていますが、一方で「この木に触れると、神様の怒りをもらう」とも言われていますので、その点はお気をつけください。
まとめ
明治神宮には、今回ご紹介したほかにも、まだまだ、たくさんの名所や見所があります。ぜひ、インターネットなどで詳しく調べてみてください。きっと、興味をそそられるスポットがあるはずです。なお、神事一般に関する疑問やご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。
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